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幸せなこと…




昨日も何事もなく生きてた私

今日も何事もなく生きてる私


先のことはわからないけど

明日もまた何事もなく過ごせるなら

それはやっぱり幸せなことなんだろう…


生きた証しは想い出に染みて

時の流れは季節と共に身体に染みてゆく…


終わろうとしているこの年に

心に染み付いた要らない想い出とか

大切な想い出を飾りながら

少し心の掃除でも…




年の瀬に想い出巡る胸の内雨の歩道の落葉を見つめ


年の暮れそこはかとなくただ仄か変わらぬ日々の景色見つめて



どもです(*´∇`)ノ
今日から更新復活します♪
そして、更新お休みの間も【移り行く日々の徒然に…】へ訪問して下さった方々、コメントを残して下さった方々。
本当にありがとうございました♪

2020年もあと一日で終わります。
武漢肺炎に始り武漢肺炎(新型コロナウイルス)が収束しないまま今年も終わってしまいます。
イギリスでは感染力が増したウイルスが、一日の新規感染者数が本日過去最大の53000人に達してしまったようです。
ニュース等で現地の映像を観ても、マスクをしていない人が目立ちます。
都市封鎖(ロックダウン)をしているにも関わらず増え続けている状況。
アフリカでは別の変異らしく若者の重症化も見られるそうです。
ワタクシ、以前にブログ記事でウイルスは変異すると書きました。
更なる変異も起こりうるかもしれません。
厳しい状況ではありますが、年末年始は出来るだけお家で家族水入らずで過ごしましょう。
初詣もマスクに手荒い、消毒は忘れずに(*^^*)b
日本でも、現在感染者は確実に増えていますからね。


平凡な暮らしができることは幸せの一つです♪
ウイルス感染を拡げないのも個々の意識が大切ですからね。
皆でこの苦境を乗り越えましょう(*^^*)b

俯くことなく皆で雲の無い青空を見上げましょう♪
苦も無い空に希望を♪ヽ(´▽`)/
なんちって(^^;

ただね…
武漢肺炎のせいで仕事を失った方も多い…
定額給付金はもう一度国民に給付するべきではないでしょうか。
私も欲しいし(笑)

そんなことを呟きながら、今年最後の更新を終わりたいと思います。

皆様、どうぞ良い年越しを(*^^*)
そして新しい年が皆様にとって素敵な一年になりますように♪

来る年も、変わらぬお付き合いのほど宜しくお願い致します♪

ありがとうございました♪

今年最後の選曲♪
【The Rose】Bette Midler
私の大好きな曲です♪

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お帰りの際に気が向いたらぽっちり一押し
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テーマ : 詩・想
ジャンル : 小説・文学

黒いアンモニャイト


皆様、いつもブログ訪問ありがとうございます♪
今日はちょっと気紛れ更新です(*^-^)

ネコニャンGO♪お部屋でGETだぜ♪

※生息地
☆日の当たる場所♪
☆部屋の中♪
☆ファンヒーターやストーブ前♪

※生態
☆寒いとき。
☆眠いんだけど明かりが眩しいとき(笑)
☆飼い主にしか見せない姿?

ブラックアンモニャイト♥
20201226100622bb6.jpg
撮影♪美香ちゃんち♪(笑)
Oh! フィボナッチ数列♪か?(笑)

これはアンモナイト♪
⬇⬇⬇
アンモナイト
Wikipedia

これはブラックナイト♪
⬇⬇⬇
ブラックナイト
関係無いけどさ(笑)
Wikipedia

アンモナイトもブラックナイトも、その歴史は古いですが、アンモニャイトの日本での歴史は奈良時代から平安時代の1200〜1300年前とされているそうです(*^^*)b

日本猫の歴史♪

今日の選曲♪
【勝手にしやがれ】猫カラ♪

20201226105053cbf.jpg
またね💓♥❤

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テーマ : 猫のいる生活
ジャンル : ペット

information

お知らせ♪

2020 26/12
皆様、いつもブログ訪問
ありがとうございます♪
久しぶりの記事更新です(*^-^)
【黒いアンモニャイト】
informationの下だよ~😺

2020 17/12
少しの間更新お休みします。
体調が悪いわけではありません♪
やらなければいけないことがけっこうあるので(^^;
常連様、訪問下さった方のブログには、今まで通り訪問、応援ポチにはお邪魔させていただきます♪
一週間かそれ以上か…まだ分かりませんが、復活の際には何卒宜しくお願い致します🙏
その間に、ちょこちょこと【人間になった猫】を書き進めていくつもりです♪

美香。。。

【織江の書庫】
織江=私、美香のペンネームです(*^-^)
FC2小説置き場です♪


2020 15/12
ショートストーリー
【雨上がりの空に】を追加しました。

2020 14/12
ショートストーリー
【赤い黄昏】を追加しました

2020 14/12
ショートストーリー
【桔梗の花が香るとき】を追加しました。

2020 14/12
ショートストーリー
【天使の階段】を追加しました。

カテゴリーに【詩集】【短歌集】【句集】
を追加しました。順次更新♪
短歌集…愛の短歌始めました♪

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テーマ : お知らせ
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褪せない想い出と小さな手…



沈みそうな心に船を浮かべた

想い出の中に浮かぶ小さな舟…

雨上がりの夕陽に染まる小さな水溜まりに

貴女がそっと浮かべた笹舟に乗れば

水溜まりは広い海になった…


その海に映る夕陽を手で掬ってみたら
幼い私がそこにいた…

あなたが手のひらに掬った夕陽を
欲しがる私の手に分けてくれたけど
小さな手から溢れる夕陽…

私は自分で笹舟の上から
水溜まりに映る夕陽を何度も掬った

夕陽は小さな手では掬えないまま
やがて夕陽は見えなくなり空は黄昏た

気付けば一人で乗っている笹舟…

夕焼けの空は紅く染まり

一人になった私はただ泣いていた…


ふと目を覚ませば部屋の中には西陽が溢れ
真冬の暖かい陽射しに

夢の中の想い出を振り返りながら

西陽に暖められた一人の部屋で

私は想い出の手を空にかざした…



短歌

夕焼けの映る水面に手を入れて掬う夕陽もやがて黄昏

冬晴れの西陽が誘ううたた寝は逢いたい人の面影映し



よく晴れた一日♪

部屋の中には陽射しが溢れ、部屋の中は温室のようにポカポカ♪

暖房要らずで思わずうとうと…(/0 ̄)

忘れられない想い出が夢で見られました。

以前にも、詩として書いた手のひらの黄昏…

夕焼けだけは色が付いていたように思います。



夢は儚く想いは永久に
偲ぶ心は切なくて…


ではこのへんで…

今回も私の心にお付き合いいただき
ありがとうございました♪

また来てね♪(@^^)/~~~

今回の選曲♪
【会いたい】はいだしょうこお姉さん♪
しょうこお姉さんの、この歌を流すとトマトがニャーニャー鳴くのは何故だろう…
歌が終わるとトマトも鳴かなくなる不思議…
しょうこお姉さんの声は猫に近いのだろうか…


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妹…エピローグ (短編ハードボイルド)



新年を迎えて10日が過ぎた週末。

壊れた店のリフォームが終わり、琴音は事件以来、初めてのスナック「鈴の音」開店のため、佐久間由美と二人で開店準備をしていた。


『お店元通りになったね、ママ』

由美はタオルで手を拭きながら琴音を見た。

『由美ちゃん、ありがとね。あなただけでも残ってくれて嬉しいよ』

琴音は由美に笑顔を向けたが、その笑顔には寂しさが滲んでいるのを感じる由美。

『あの事件で女の子達辞めちゃいましたからね…。アタシも寂しいです』

『仕方ないわよね…。あんな事件があったんだもん…。由美ちゃん、少しの間アタシと二人だけど頑張ってね。新しい女のコ募集するから』

『はい、任せてママ』

琴音の言葉に由美は笑顔で応えた。

『由美ちゃん、亮介君はどうなるのかな…』

琴音の問い掛けに由美の顔が曇る。

『あの時、お兄ちゃんがアタシとママを無理矢理追い返したじゃないですか…』

『うん、兼子さんの舎弟の人に車に乗せられたよね』

『はい、あの後…お兄ちゃんが須藤さんとの約束だからって兼子さんを説得して、自分で警察の武藤さんていう刑事に電話したんだって。それで兼子さんは病院に行って、お兄ちゃんは今は警察にいます。兼子さんがそう言ってました。兼子さんのいる新田興業の社長さんが弁護士を着けてくれたそうです』

『そうなんだ…。あの後ニュースや新聞見たけど、亮介君の名前も…須藤さんの名前も全然出てなくて、神栄商事と警察の銃の違法取引と、神栄商事と繋がってたギャング一掃の記事しか出てなかったから…』

『それは…たぶん新聞記者の人のお陰だと思う。アタシが警察に行ったとき○○新聞の加藤っていう人と伊丹っていう人に声かけられたの。お兄ちゃんと須藤さんは、ある事件の解決に協力してくれたから新聞社としてもお兄ちゃんと須藤さんの罪が少しでも軽くなるようにバックアップしてくれるって言ってました』

『ある事件の解決に協力?』

琴音は由美に聞き返した。

『はい、そう言ってました』

『事件の協力か…須藤さんらしいね…。開店までまだ時間あるから由美ちゃん休んでて』

『はい』

由美の明るい返事を聞いた琴音はカウンターの中にある椅子に座って一息ついた。


一通りの準備を終えて、琴音は須藤専用のグラスと大きめのコースターを取り出し、コースターの上に指でつまんだ塩をパラパラと撒いて円を描いた。

グラスの飲み口をグレープフルーツでなぞり、逆さまにして塩が散りばめられたコースターの上にグラスの飲み口を着けて置いた。

そして別のコースターを取出しグラスの横に置いた。

伏せたグラスを持ち上げ、琴音は飲み口を上にして隣のコースターに乗せた。

グラスの縁に適度な塩が付いていた。

それが須藤の好みの塩の量だった。

琴音はグラスに氷をいれ、ウォッカを注ぎグレープフルーツジュースで割った。

須藤がこの店でいつも飲んでいたソルティードッグをカウンターの端に置いた。

そこは須藤がいつも座っていた場所だった。

もう須藤が手にすることのないグラスを見つめる琴音の瞳は、見るみる潤み出した。

泣いたところで須藤が現れることは無いと分かってはいるが、泣かずにはいられない琴音。

カウンターに溢れ落ちた涙の雫に、琴音は須藤の面影を映すと溢れてくる感情を抑えられなくなった。

嗚咽を漏らす琴音の様子を見ていた由美が、琴音の気持ちを察して優しく琴音を抱き締めた。

琴音は堪えきれず堰を切ったように泣き出した。



この日の、午前中の事…。
新田興業に警察から電話が入っていた。

身寄りの無い須藤の遺骨を新田興業に引き取って貰えないか、という事だった。

新田興業の社長、新田竜二は快く承諾した。

その事を知った○○新聞の加藤真二は、新田興業に出向いた。

『新田さん、今日、こうしてお邪魔したのは須藤克己の葬儀参列の承諾を頂きたいこと。それから須藤の眠る場所…俺に任せてもらいたい…というお願いに参りました』

『加藤さん、葬儀参列は此方からもお願いしたい。しかし、あいつの眠る場所を任せろとは…どういう事かな?』

新田は穏やかな口調で加藤を見た。

加藤は15年前の須藤と自分の妹の事を新田に話した。

『須藤の中には、15年経った今でも俺の死んだ妹の事を忘れられずにいました。今回の事件に須藤が足を突っ込んだのも、佐久間由美の拉致事件が切っ掛けでもありました。須藤は由美という女性を俺の妹であり、須藤の婚約者でもあった裕子の二の舞にしたくない、と言っていました。須藤は…何れは俺の義理の弟になる筈でした』

『あぁ…あの時の事か…』

新田もその時の須藤のことはよく覚えていた。

『加藤さん、あんたの気持ちは分かった。兼子、お前は竜神会の時から須藤と一緒にいた兄弟分だ。お前はどうしたい?』

相席していた兼子は浮かない顔をしていた。

『どうした、兼子。不満か?』

新田はそう言って兼子の言葉を待った。

『すいません、加藤さんの気持ちは嬉しいですが、一言言わせてもらいます。
加藤さん、須藤の兄貴を何処で眠らせるんですか?もしかしたら裕子さんの傍でしょうか…』

『はい、そのつもりですが…よく分かりましたね』

『それじゃあ、琴音姐さんの気持ちはどうなるんでしょう…。俺は裕子さんのこともよく知っています。兄貴からよく聞いてましたから…。琴音姐さんの気持ちも俺は聞きたいです』

兼子はそう言って新田の顔を見た。

『そうか…。うん…。兼子、琴音さんの店が直って今夜から営業すると連絡が来た。俺は野暮用で行けないからお前行ってくれるか?琴音さんの気持ちを聞いてきてくれ。それからでも構わないかな?加藤さん』

『そうですね。その方が自分としても気持ちの整理がつきます』

『加藤さん、俺達の義理を通させてくれて済まない』

新田が加藤に頭を下げた。

それを見た兼子も慌てて加藤に頭を下げた。




琴音は感情のまま泣いて落ち着いたのか、気を取り直して涙で落ちた化粧を整えていた。

その時、由美のスマホの着信音が鳴った。

ディスプレイに表示された名前を見て外に出て着信ボタンを押した。

『もし~、美紀ちゃん何で辞めちゃったのよ』

「ごめんね~、ちょっと怖くなっちゃって…。由美ちゃん、いま何処?」

『お店だぞ~。お店も直ったし今日から営業開始だよ。ママと二人だけだけど…』

「そっか~、実はさ…お店に戻りたいな~って思ってるの。彩ちゃんも加奈ちゃんも妙ちゃんも今一緒。皆でママに謝りに行こうかと思ってるとこ。あの吉田って奴も死んだでしょ?」

『あー、美紀ちゃん、あのくそ野郎の名前出さないで、今、必死に忘れようとしてリハビリ中なんだから…』

「ごめんごめん、二度と口にしない。それでさぁ…アタシ達辞めちゃってママ怒ってる?」

『怒ってるような雰囲気は無いけど、戻るなら早い方がいいよ。ママ新しい女の子募集するって言ってたから…』

由美のスマホから美紀と加奈、彩の悲痛な叫び声が聞こえてきた。

『由美ちゃん、助けて。ママに謝りたい。ママと由美ちゃんが一番怖い思いしてたのに、アタシ達が逃げてどうするって、三人で話したの。ママが許してくれれば戻りたい』

美紀は半泣きしてるような声で由美に助けを乞うのだった。

『分かった。ママに話してみる。また電話する』

由美は店内に戻り、琴音の傍に駆け寄った。

『ママ?ちょっとお話があるんですけど…』

由美はもじもじしながら琴音に話しかけた。

『なぁに?』

琴音はもじもじする由美を見て笑った。

『あの~、もし、もしもですよ?美紀ちゃん達がお店に戻りたいって言ったら…ママどう思いますか?』

そう言って由美は傍にあったカラオケマイクを琴音の前にインタビューするように差し出した。

『ははぁ~…いま外に出ていったのはその事ね』

琴音はニヤッと笑って見せた。

『う~ん…どうしようかな…』

琴音は悪戯っぽく笑って見せた。

『え~、ママお願いします。三人ともママに謝りたいって言ってました。ママとアタシが怖い思いしたのにアタシ達が逃げてどうするって言ってました』

『えっ、皆戻ってくるんだ』

琴音は正直嬉しかった。

『逃げたくなる気持ちは分かるけどね。ただ、こういうときは、けじめとして本人達から直接聞きたいな。だからお店に来るときの洋服を持ってお店に来るように言っておいて』

『わぁー、ママありがとう。早速三人に伝えます』

そう言って由美は外に飛び出して美紀に電話をかけた。



それから30分後、由美は店の入り口に「鈴の音」と書かれた小さなネオン看板を出して灯りを点した。

10分ほどで常連客が二人入ってきた。

『いらっしゃいませー』

由美の明るい声が店内に響いた。

それから数分後、兼子が舎弟三人を連れて店に入ってきた。

兼子を始め舎弟三人は、何時もとは感じの違うカジュアルな格好だった。

『いらっしゃい。なんか皆さん雰囲気変わった?』

琴音が四人におしぼりを渡しながら言った。

『えぇ、これからここに来るときは柄の悪い格好はしないようにしようと思って』

そう言って、兼子は照れ臭そうに琴音を見た。

その後もポツポツと客が訪れて来た。

その中には新聞社の加藤と伊丹、刑事の武藤の顔も来店していた。

それぞれが琴音と由美に話したいことがあったのだが、店内の席は8割ほど埋まっていて、忙しく動き回る琴音と由美に話しかけるタイミングを失っていた。

そんなとき、美紀、加奈、彩の三人が店に入ってきた。

店内はざわざわしていたが、三人の女の子が入ってきたことで、ざわつきが1オクターブ上がった。

美紀、加奈、彩の三人は揃って琴音の傍に行き、頭を下げた。

こうして鈴の音は以前の姿を取り戻したのだった。


女の子三人が来たことで、琴音はカウンターの中に入っていた


兼子は舎弟三人をボックス席に残し、カウンター席に腰かけた。

加藤と武藤もカウンター席に腰かけた。

『皆さん、何かお話がありそうですね』

琴音は事件に関わっていた顔ぶれで察した。

『俺は由美さんに話があって来ました。仕事の延長では無いです』

武藤は頭を掻きながら言った。

『俺とこちらの加藤さんはママに話があって来ました』

『あら、良い話かしら?もう少し待ってくださいね。由美ちゃん、ちょっと…』

『はーい』

琴音に呼ばれて由美がカウンターに入った。

『刑事さんがお話があるって』

琴音は小声で由美に耳打ちした。

『あ、はい…』

由美の顔が一瞬曇った。

『お話って何のことですか?』

由美は、カウンターに座る武藤の前に着いた。

『そんな不安な顔しないでください。良い知らせですから』

武藤は穏やかな口調で言った。

『良い知らせ?ですか?』

『忙しそうなので手短に話します。あなたのお兄さん、来週には釈放されます』

『本当ですか!』

由美の顔が一瞬で笑顔になった。

『はい。最初の事件で被害届を出した人物が行方不明でして…。お兄さんは、最初の事件で訴えられていましたから、その届け出をした人が行方不明でどうにもならない状態なのです。だから来週には証拠不十分で釈放になります。お兄さんと須藤さんのお陰で最近成り上がってきた悪党達を捕まえる事もできましたから…。この事はここだけの話にしておいてくださいね。私の言いたいことはそれだけです。レモンサワー貰えますか?』

『はい!』

由美は明るい声で返事をしてレモンサワーを作り始めた。

そして由美は琴音に武藤に言われたことを耳打ちするのだった。

琴音も大喜びで由美を抱き締めた。


それから、客の出入りが落ち着いてきたとき、兼子はカウンター席で琴音に声をかけた。

『ママ…ちょっといいかな…』

『はい、この洗い物終わったらお話聞かせてください』

『分かりました』

兼子と加藤は琴音の洗い物が終わるのを待った。


『はい、終わり。お待たせしました』

『お疲れ様です。あの…こちら⭕⭕新聞社の加藤さんです』

兼子は加藤を琴音に紹介した。

『琴音です。えーと、ここは始めてですよね?』

『加藤です。こちらの店は初めてです』

加藤はそう言って名刺を取り出し琴音の前に差し出した。

琴音は両手で名刺を受け取り加藤を見た。

『加藤真二さん…良いお名前ですね』

琴音はその場を繕った。

『ありがとうございます。実は、今日お伺いしたのは須藤克己さんの事でお話がありまして…』

琴音の思っていたことだった。
兼子が居ることでそれは察していた。
絶対泣けない、泣かないと気持ちを奮い立たせる琴音。

『須藤さんの事と申しますと?』

『はい、私には15年前、須藤さんと婚約関係であった裕子という妹がいました。その妹は自殺して亡くなりました。それ以来、須藤さんは妹の命日には毎年欠かさず妹の墓に花を手向け手を合わせてくれていたんです…』

琴音には始めて聞く須藤の事だった。

『そうでしたか…』

琴音はそれだけ言って黙った。

『妹が生きていれば、須藤さんは私の義理の弟になる筈でした。今回、須藤さんが亡くなって身寄りが無いことを知りまして、うちの墓の横に須藤さんの墓を建てようと思っていますが…琴音さんの意見を聞きたいと思いまして…』

『私がどうこう言える立場ではありませんけど、須藤さんの心にずっと…ずっといた人の傍に居られるなら…須藤さんも嬉しいのではないのでしょうか…』

そう言って琴音は堪えきれず、大粒の涙を溢した。

『やだ…アタシ何で泣いてるんだろう…ごめんなさいね、お見苦しいところをお見せしちゃって…』

『もしかしたら、須藤さんのお墓とか考えていました?』

加藤がその場を取り繕うとした。

『考えていなかったと言えば嘘になります。須藤さんに身寄りがないのは知っていましたから…。ただ、もうあの人が居ないんだっていう想いが強くて…。何処のお墓なのですか?私もお参りしたいです。私もずっとあの人のこと思っていたいから…。このソルティードッグ…あの人のために作ったんです』

琴音は、兼子が座る一つ空けたカウンターの端に新しく作り直したソルティードッグを兼子と加藤に見せた。

『これ、兄貴のだったんだ…』

兼子がポツリと呟いた。

『ママ?お兄ちゃんが出てきたら、みんなで須藤さんのお墓参りしましょうよ。四十九日ももうすぐだし…ねっ?武藤さんも兼子さんも加藤さんも、お店の女の子みんなで須藤さんに会いに行こう…アタシ須藤さんに会いたい…』

話を聞いていた由美は、涙を溢しながらも健気に笑顔を見せていた。

『そうだね…みんなで須藤さんに会いに行こう。須藤さんと亮介君はみんなのヒーローだもんね』

琴音の言葉に武藤も加藤も兼子も頷いた。

そのすぐ後に、店内にカラオケが流れ始めた。


その時、カウンターの端に置かれたソルティードッグが注がれたグラスの氷が動いたのを、琴音は穏やかに静まって行く気持ちで見ていた。。




おしまい。。。




どもです♪(*´∇`)ノ

とうとう最終回を迎えられました♪

今までの事件を簡単に解決して琴音と須藤に関わった人達の心を書いてみました。

須藤さんはヒーローだ♪

誤字脱字も多く読みにくいところもあったかもしれませんが、そういったところに気を付けて、これからもお話を書いていこうと思います♪

皆様、最後までお付き合いありがとうございました。

次のお話は【人間になった猫】の続きを書きます♪


ありがとうございました♪

【セーラー服と機関銃】薬師丸ひろ子


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誘われるままに…


夜毎あなたは私を誘い

愛しさに頬を寄せれば

私を優しくつつんでくれる…


お風呂上がりの…

私の長い髪があなたを擽り

優しい抱擁に私はゆっくり眼を閉じる…


あなたに…


湯上りの身体も心もあなたに委ねれば

あなたが誘う夢の国で

私は恥じらいもなく全てを曝け出す…


そんな夜が今日も訪れた

ベッドに私を誘うように

毛布から覗くあなたに…

私の意識は吸い込まれるように

今夜もあなたに頬を寄せる…


ため息が漏れるこの一時…


あぁ…私の愛しい敷妙よ…(〃 ̄ー ̄〃)

下ネタじゃないんだからね(〃ω〃)


短歌

頬を寄せ愛撫の果ての夢心地敷妙もまた床上手かな

下ネタじゃないんだってば(*/□\*)

冬ざれの心預ける敷妙に夢は桜の花にまみれて


俳句

宝船…一足早い季語ですが…
   ⬇
敷妙や夢の綻ぶ宝船

敷妙に髪の移香冬の朝
ん~…いまいち…(^^;
   ⬇
  手直し
冬の朝敷妙に染む髪の香



どもです♪(*´∇`)ノ

不覚であります…(≧口≦)ノ
今回の記事、昨夜ブログアップするはずだったのに…

気が付けば朝の四時( ´゚д゚`)アラマァ…

晩御飯も食べず枕に誘われるまま(∩゚∀`∩)

ただ今、この記事の続きを書きながらお腹がグーグー鳴ってます(笑)

枕(敷妙(しきたえ))を擬人化した夜だからこそムードが上がると思ってたのに…(笑)

実際…この詩のような記事を書くには枕の感触を感じながら書かないと…と思ったのですが…

今回の詩のような状況に陥り、私は見事に夢の中(笑)

何かを食べているような夢は見ていたのですが、よく思い出せません(^^;

昨日は、アマゾンビデオで『寄生獣』2作一気観したからな~…まさかな~…Ψ(`∀´)Ψケケケ

寄生獣を知っているかたはお察しください(笑)


今日の横浜は朝から曇り☁

寒い朝ですが…窓を開ければ全身の毛穴が引き締まるような感じが好き♪

昼間は昨日より暖かくなるようですが、12月ってこんなに暖かかったかなぁ…

来週になれば寒波襲来のようです。

皆さん、体調管理にも武漢肺炎にも十分ご注意くださいね(*^^*)b

ではこのへんで♪

今回も最後までお付き合い
ありがとうございました♪

次回の更新は【妹…】エピローグです♪

では皆様、よい一日をお過ごしください♪

※追記※
そうそう、アメリカ大統領選に大きな動きがあったようです。
9つの州がバイデン氏に対する不正投票を訴えて、裁判で受理されたようです。
不正の証拠が揃っているためにバイデン候補陣も見苦しい言い訳をしているようです。
もしかして大どんでん返しがあったりして♪
私はそうなってほしいですがね(*^-^)
ワタクシ、バイデン氏は日本にとって危険な存在だと思っていますから。

今回の選曲♪
【少女】五輪真弓
歌詞を深く読むと、様々な想いや読み方が
できる気がします。
この少女は意識だけの少女なのか…
病に侵されている少女なのか…
五輪真弓自身の子供の時のことなのか…
それとも…
私の妄想は尽きません(笑)

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冷たい風…


この冬の冷たい風のように
私の胸を凍えさせた言の葉…

霞の中で見えては隠れ
事実と嘘に弄ばれて
独り漂う部屋の中…

寄り添いたい心に吹く向かい風
向かい風に逆らうこの想い

想いは渦巻く風の中

巡る想いは風の中…



沈み行く想いは深き海の底静かに眠る難破船見て


【雲にのりたい】由紀さおり

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朝の空に…



寂しい夜に想いを馳せば

心は想い出と遊び

記憶は哀しみと共に涙を誘う…


刻の流れは戻らないと知りながら

夢で浮かべた小舟で流れに逆らった…


せめてあの日に

せめてあの時に…と…


流れる刻に夢で溺れ

飛べない空に手をのばせば

見上げる空の夜は明けて

雲の切れ間の蒼空に

この虚しさを投げつけて

悲壮の想いに背筋を伸ばした…



足元で回り続ける大きな時計は

今も刻一刻と刻を刻みながら

私の想いを嘲笑い

私は今日も運命の

刻の流れに流されている



短歌

この空に散りゆく雲の儚さに行く末見えぬ我が身の運命(さだめ)

一分一秒が運命の分かれ道になることがあります。
運命ってやっぱり定められたものなのでしょうか…。


過ぎし日の想い出詰まるこの胸は生きた証の私の縮図

時の流れは無慈悲でもあり優しくもあり
決して戻ることのないもの。
虚しい記憶だけを残す意地悪でもあります(^^;
でも記憶は自分を奮い立たせるものでもあり、他人を労る事が出来るものでもあります。
人間てよくできてるな~、と改めて思います。


俳句

街路樹も痩せて佇み冬ざるる

五回目の嚔に猫が我見つめ

煩いと思われたのか…
それとも心配してくれたのか…(笑)



どもです♪(*´∇`)ノ
くしゃみが止まらないワタクシです…
(*`゚Д´)(っ*`з´)っ・:∴

油断すると鼻水つつー…😷
マスクの下には鼻にティッシュを詰め込んでおります(笑)

何かのアレルギーっぽいです。


さて…本日は二十四節気、二十一番目の
大雪(たいせつ)であります(*^^*)

お天気のお姉さんに教えていただきました♪
もちろんテレビです(笑)

それ以外は詳しく知りません(^^;

大雪が降る時期と思えばよろしいのかと♪
私の知識はこの程度(^^;

でも、こういうことを知るのは、様々な事を感じることが出来るように思います。
季節の情景を言葉にした二十四節気。
自分の中でも季節のイメージが今まで以上に膨らみます♪
俳句初心者の私がネットで季語を調べていると、二十四節気の事がよく目につくようになりました。
遠い昔から現在に伝えられている言葉を大切にしたいと思うワタクシであります♪


今日の横浜は快晴♪
朝方、まだ暗い時間にホットミルクティーが飲みたくなり、家の前の自販機へ…。

街路樹の銀杏も葉が落ちて痩せ干そっていました。

見上げれば暗い空にハーフムーン🌓

静かな街に響く私のくしゃみ(笑)
(っ*`з´)っ・:∴

3階建ての集合住宅に、煌々と灯りの灯る私の部屋の窓際には、私を見ているのか愛猫トマトのシルエット(´・∀・)

冷たい空気を全身で浴びて、心に重くのし掛かっていた思いも少し軽くなった朝でした。


最後に一首詠みます。

頼りないこの身の行方我知れずただこの朝に我が身をおいて



武漢肺炎が蔓延しております。
その患者数も日に日に増加中です。
武漢肺炎の犠牲者も増加中であります。
日本政府は法律上都市封鎖も出来ず、国民に感染防止のお願いを呼び掛けることしかできません。
感染拡大を収束させるには個々の意識の高さに委ねられます。
ウイルスの突然変異、感染無症状も忘れてはいけないことだと思います。
飲食店で用意したパーテーションを声が聞こえないから外すなんて言語道断。
これでクラスター発生なんて言ったらお店側もいい迷惑です。
とは言いつつも、もっとも感染に気を付けている病院自体のクラスターも発生中。
無症状が要因の一つなのでしょうか…。
マスクは忘れず着けるようにしましょう(*^^*)

ではこのへんで…。

今回も最後までお付き合い
ありがとうございました♪

また来てね♪(@^^)/~~~

今回の選曲♪
【ふれあい】中村雅俊

【365日の上飛行機】AKB48

いつも応援ありがとうございます♪
お帰りの際に気が向いたらぽっちり一押し
宜しくお願いします♪:*(〃∇〃人)*:

テーマ : 詩・想
ジャンル : 小説・文学

妹…14 (短編ハードボイルド)


須藤は新田興業の二人と遠藤医院を出て、新田興業の二人、斎藤隆と飯塚宏二が乗ってきたワゴン車に乗り込み、三人は琴音が言っていたホテル街へと向かった。


それから少しして、晩御飯を買いに出ていた一人が遠藤医院に戻ってきた。

『あれ?先生、兄貴達は?』

『あ、おまえ何処行ってたんだ?』

『はい、兄貴達に頼まれて少し離れたコンビニに弁当買いにいってました』

『須藤さんと、お前の兄貴達…出てったぞ。俺は止めたんだがな…頑固だからな、須藤さん』

『マジですか!?何処行ったんですか?』

『俺はわからんよ。電話してみたらどうだ?』

『兄貴達、スマホも携帯も忘れてきたって言ってましたから…』

『じゃあ諦めろ』

遠藤医院に駆け付けた10人の中で、一番若い田所修は一人置いていかれたことにショックを受けるのだった。

『先生、弁当食べますか?』

『俺の分もあるのか?』

『もちろんです』

『じゃあ貰うよ』

『はい、どれでもどうぞ。俺、これからやけ食いしますから』




『須藤の兄貴、すいません…田所置いてきちゃいました…』

『田所?あぁ、あの一番若い奴か。いいじゃねぇか。隆と宏二が居れば大丈夫だろ』

須藤は兼子博之に電話をしようと、ポケットから携帯を取り出した。

兼子の番号を呼び出そうとしたところで、須藤の携帯は電池切れになった。

須藤は舌打ちをして携帯をポケットにしまった。

『お前ら携帯持ってたら兼子に電話してくれないか?』

『すいません、俺達遠藤医院に向かうとき慌てて出てきたんで携帯持ってこなかったんですよ』

助手席の飯塚宏二が申し訳なさそうに須藤を見て頭を下げた。

『そうか…この車に充電器無いのか?』

須藤に言われて助手席の飯塚が、グローブボックスやドアの小物入れなどを探したが見つからなかった。

『仕方ねぇな…』

須藤は自分の座っているシートの下から木刀を取り出し両手で握り刃先を床に突き刺すように立てた。

暫くすると、3人の乗った車の前方に警察の検問が行われていた。

運転する斎藤隆は迷わず脇道に入っていった。

その後も検問一ヶ所を避け、パトカーとすれ違いながらも須藤達は隣街へと入婁ことができた。



ギャング4人を捕らえた中谷秀樹が運転するアルファードは警察の検問の手前でUターンをするはめになった。

『くそっ、来るときは検問無かったのによ!ここは一本道で脇道無えんだよな…』

中谷が呟くと後ろからギャング達の笑い声が中谷の耳に聞こえてきた。

ギャング達それぞれを、結束バンドで手足を拘束しているので検問は避けたかった。

そんな時にギャング達のバカにするような笑い方が、中谷と新田興業の4人の怒りに火を着けてしまった。

『クソガキ共黙らせろよ!』

中谷が怒鳴った。

『俺もそう思ってたとこだ』

そう言って二列目の後部座席に座っていた新田興業の一人が最後部の座席に座っているギャング4人の顔を一人ずつ殴ってヘラヘラと笑った顔を沈黙させた。

『お前らは俺達に銃をぶっぱなしたんだからな…。今回の件が終わったら警察の前に放り投げてやるからよ。生意気にこんな薬まで持ちやがって。てめぇら根刮ぎ潰してやるからな』

そう言って二列目の後部座席に座っている新田興業の一人は、ギャングの一人にギャング達が持っていた違法ドラッグの錠剤を投げつけて前に向き直って座り直した。


一方、兼子達も警察の検問に四苦八苦していた。

『何処か抜け道無いのかよ』

兼子がイラついたように言った。

『抜け道らしいのはありますけど…車が通れるかどうか…』

運転手がカーナビを操作しながら言った。

『そうか…神栄商事の倉庫は⭕⭕市のホテル街の近くだって言ってたよな?タクシーの方が良さそうだな』

兼子が呟いた。

『その方がいいかもしれませんね。タクシーなら検問も問題ないと思います。この車には木刀も積んでありますからね…。検問に引っ掛かったらパクられます』

『そうだな。そこら辺で降ろしてくれ。一人は一緒に来い』

『俺一緒に行きます』

兼子を慕い、須藤を慕う助手席の舎弟が即答した。

そして二人は車を降りてタクシーを探すのだった。




須藤と新田興業の二人、斎藤と飯塚の車は警察の検問を巧みに抜けて隣の⭕⭕市へと入った。

ホテル街に着いたのはそれから10分後だった。

『須藤の兄貴、ホテル街に着きました』

『着いたか…』

須藤は手術後の痛みを隠しながら後部座席で座り直した。

『この辺りに倉庫らしい建物があるはずだ。隅から隅まで走りまくって、それらしい建物があったら停まってくれ』

『分かりました』

須藤の言葉に斎藤と飯塚は、ゆっくり車を走らせながら夜の中に目を凝らしていた。

20分ほど辺りを走り回っていたところ、助手席から外を見ていた飯塚が、木に囲まれた暗闇の奥に窓から漏れる灯りのようなものを見つけた。

『ストップストップ!』

『見つけたか?』

斎藤が車を停めて助手席の窓の外に目を凝らした。

『電気着いてるの2階か?』

斎藤が言うと飯塚が頷いた。

『そうみたいだな。外に車が止まってるみたいだ…』

ホテルのネオンの灯りで、車のテールランプの反射版が光っていた。

『ちょっと見てくる』

飯塚は車を降りて建物の入り口の木に隠れながら建物に近付いていった。

建物の前にワゴン車が2台止まっていて、窓の灯りは2階の部屋の灯りだった。

飯塚は更に建物に近付いた。

大きな扉からも灯りが少し漏れていた。

その隙間から中を覗くと床に座っているのか、投げ出された足だけが複数見えていた。

飯塚は、ここに神栄商事の奴等がいる場所だと確信して車に戻ってきた。

『須藤の兄貴、ここに奴等が居るのは間違いないと思います。1階の大きいドアの隙間から中が見えたので覗いてみたら床に投げ出された女の足が見えてました』

須藤に言いながら、飯塚は助手席に置いてあった木刀を握りしめた。

斎藤も助手席に置いてある木刀を手に持って須藤を見た。

『兄貴、俺と宏二で突入したいんですが…』

斎藤の言葉を須藤は否定するのだった。

『俺は足手まといか?』

『い、いえそんなこと言ってません…ただ…』

斎藤は須藤の怪我を心配するのだが、言葉を詰まらせた。

『お前らが俺を気遣うのは分かるけどよ…ここは譲れない相談だぜ』

須藤はそう言ってドアを開けて先に歩き出した。

『分かりました、俺達が先に飛び込みます』

飯塚が急いで車を降りて須藤に並んだ。

斎藤も急いで車を降りて須藤の横に並んで須藤を斎藤と飯塚で挟むように、三人は横一列となって倉庫へと向かった。



それまで手足を結束バンドで拘束されたままの亮介、琴音、由美はそれぞれ12月の寒さを凌ぐため、三人が背中を合わせた格好で床に座り込んでいた。

亮介は倉庫内に監禁された後、神栄商事の連中が2階へ上がったのを確認すると由美と琴音の傍へと何とか身を寄せた。

そして琴音と由美に怪我の有無を聞いてから、由美に病室で良介に見せた手術用のメスを持ってるか聞いた。

恐怖ですっかりメスのことを忘れていた由美は、思い出したように自分が着ている上着のポケットに入っている事を亮介に伝えた。

亮介は体をずらし、後ろ手に由美の上着のポケット部分を手繰り寄せて上着の上からメスの形を確かめた。

そのメスの刃先を使って由美の上着のポケットに穴を開けてメスを取り出すことに成功した。

そのメスを使い亮介は何とか結束バンドを切ろうとするのだが、寒さで指も悴み中々上手く切ることができなかった。亮介の手首の辺りは傷だらけになっていたが、亮介は根気よくメスを結束バンドに当てていた。


須藤、斎藤、飯塚の三人は、倉庫の前に止めてあるワゴン車の影に隠れて、少しの間様子を見ていた。

『鍵開いてるか見てきます』

飯塚が言って、車の影から出て大きなドアの状態を見た。

左右にスライドさせて開く大きな扉が、真ん中で合わさるところに頑丈そうな南京錠がかかっていた。

その横には小さめのシャッターがあり、その中から発電機のような音が聞こえていた。

飯塚は、そのまま倉庫を一回りしたが他に出入り口はなかった。

須藤と斎藤の元へ戻った飯塚は、出入り口が正面の大きな扉と、その横にある人が出入りするドアだけで建物は倉庫のようだと二人に告げた。

『そうか…』

須藤はそう言って少し考えた。

『隆、あの2階の窓に石を投げてみろ。2階から顔を出す奴が何人か数えろ。宏二は俺とあのドアの横に隠れる。誰か出てくるかも知れないからな。ドアが開いたら中に突入だ』

『分かりました』

斎藤が返事をすると飯塚も頷いた。

『奴等銃を持ってるかも知れないから、銃を手に持ってたら木刀で払い落としてやれ。隆、俺達がドアの横に隠れたら窓に石を投げろ。いくぞ宏二』

『はい』
『はい』

飯塚宏二は須藤を見て頷き、斎藤も頷いて傍に落ちている適当な小石を拾い上げ手に持った。

そして須藤と飯塚がドアの横に隠れたのを確認したところで斎藤は2階の窓ガラス目掛けて石を投げた。

「バシッ」と音がして斎藤の投げた小石は見事に2階の窓に命中。

割れはしなかったが、数秒後に三人の影が窓に見えた。



窓に何か当たった音で、倉庫の2階はざわついた。

吉田は反射的に銃と亮介が持っていた金の入ったバッグを手にした。

『何だ今のは…』

吉田が窓際にいる部下に声をかけた。

『暗くてよく分かりませんが…ギャングの連中が戻ってきたんでしょうかね』

窓際で外を見ている吉田の部下が振り向いて言った。

『奴等なら電話してくるだろう…須藤か新田興業の奴等かもしれないぞ!誰か外見てこい』

吉田はバッグを抱え、銃を持ったままだった。

部下の一人は吉田のその情けない姿に舌打ちをした。

吉田の部下七人のうち三人が短刀と木刀を持ち、階段をバタバタと降りていった。

その足音に亮介は奴等の焦りを感じ取った。

それまで亮介は由美が持っていた手術用のメスで結束バンドを何とか切ろうとしていたが、メスで切れた手首から流れる血の滑りで思うようにメスを持てなかったが、亮介は諦めることなく、階段を駆け下りてくる連中を見ながら根気よくメスを結束バンドに当てていた。

2階から下りてきた三人は、人が出入りするドアの鍵を開けてゆっくりドアを開けた。

ドアは外に開くドアで須藤と飯塚はドアの影に隠れる形となった。

一人が体半分出たところで、須藤と飯塚は開いたドアを力いっぱい押し返した。

ドアに挟まれた男は、思いがけないドアの動きに反応できないまま、見事に体の縦半分が挟まれて変な声を出した。

飯塚はそのままドアを開けて中に飛び込んだ。

そして亮介、琴音、由美の三人を庇うように立ちはだかった。

その後にドアから入ってきた須藤を見て亮介、琴音、由美は驚いた。

『須藤さん、何で…』

思わず声を出した亮介。

『兄貴はどうしてもあんた達を助けたいらしいぜ。あんた佐久間って人だろ?立てるか?』

飯塚は、そう言って亮介をちらっと見た。

『佐久間亮介だ。立てる…。メスで結束バンド切ろうとしてるんだけど中々切れないんだ。手を貸してくれ』

亮介は立ち上がり後ろ手に持っているメスを飯塚に見せた。

飯塚はすぐにメスを手に取り亮介の結束バンドを切った。

『足は自分で切ってくれ。忙しくなりそうだからよ』

飯塚はメスを亮介に渡して、階段から下りてくる複数の足音を聞いて木刀を握り直した。

亮介は自分の足の結束バンドを切り、次いで琴音の手首と足首の結束バンドを切った。

『ママ、由美のバンドこれで切って俺の後ろに隠れて!』

亮介はそう言って横に立て掛けてあった角材を手に取り、階段から下りてきて襲いかかってくる四人を飯塚と共に迎え撃つのだった。


須藤は二人を相手に木刀を振り上げていた。

そこへドアに挟まれた男も体制を建て直し、須藤に襲いかかろうとしたところを斎藤が後ろから木刀で襲いかかった。

須藤の動きは、やはり鈍かった。

一人の木刀が須藤の腹を叩いた。

膝を着きそうになりながらも、須藤は木刀を前に付き出した。

須藤は木刀で叩かれた腹の縫った傷口が開き血が滲み出てきた。

それでも痛みを堪え、木刀を前に付き出したまま次の相手に近付いた。

飯塚は階段から下りてきた四人のうち二人を、亮介は残りの二人を相手に奮闘していた。

そこへ階段から下りてきた吉田が飯塚に銃を向けて引き金を引いた。

「パンッ」という音と共に飯塚の脇腹を銃弾が貫通した。

撥ね飛ばされるように飯塚は後ろへ倒れた。

飯塚が倒れたのを見た亮介は、自分達を助けてくれた男に駆け寄りたかったが、神栄商事の二人がそうさせてくれなかった。

『宏二ー!』

同じく倒れる飯塚を見た須藤は、開いた傷口を押さえながら倒れた飯塚の名前を呼びながら近寄っていった。

そこへ飯塚と渡り合っていた二人が須藤に襲いかかってきた。

『てめぇ、この前の借りを返してやるからな!』

そう言って須藤に襲いかかる男に向けて、須藤は木刀を下から斜め上に振り上げた。

男の木刀を弾いた須藤の木刀は男の顎を掠った。

その直後、もう一人の男の短刀が横から須藤の脇腹に深く刺さった。

須藤はその男の喉を掴み自分の腹に刺さったナイフを抜き取り男の腹に突き刺した。

『昇り龍の須藤を舐めんじゃねえぞ…』

須藤はそう言って男に刺した短刀を更に深く刺しその短刀を右に捻った。

男はもう一度呻き声を上げて倒れた。

須藤は強烈な痛みに気を失いそうになったが、階段の上にいる吉田を睨み付けた。

『須藤さん!もうやめて!』

琴音が叫んで須藤に駆け寄った。



丁度その時タクシーでホテル街で倉庫のような建物を探していた兼子が、何時も斎藤が運転しているワゴン車のアルファードが道路に止まっているのを見付けた。

『ここだ、ここで止めてくれ!』

料金は一万五千円を少し越えていたが、二万円を運転手に渡し釣りは入らない、と言って舎弟の向井と共にタクシーを降りて木に囲まれた奥にある建物に向かって行くと、建物から罵声が聞こえてきた。

『向井、突っ込むぞ!』

兼子は走り出した。

『兄貴、何で斎藤の車がここに?』

『分からん。斎藤がここに居るのは間違いないだろう』

建物に着いた兼子と向井はドアを潜り抜け中に入った。

琴音が須藤に抱きついて泣いていて、少し離れたところに飯塚が腹を押さえて転がったまま呻いていた。

『向井!飯塚を助けろ。佐久間!大丈夫か!?』

向井は転がっていた木刀を拾い上げ、飯塚の元へ駆け寄った。

亮介は二人と争っていたが一人を倒したところだった。

『兼子さん、俺は大丈夫です、須藤さんを!』

『分かった』

兼子は須藤の元へ駆け寄った。

須藤の足元を見ると血溜まりができていた。

『兄貴!何やってんだよ!病院に居なきゃいけない体だろ?』

『おぉ、…ひ、ひろ…ゆき…てめぇ琴音のこと…だ、黙ってやがっ…たな…』

兼子が来たことで、2階に戻った吉田が、また階段に現れて銃を須藤に向けた。

須藤は琴音と兼子を突き飛ばしたところで、2発の銃弾が須藤の体に当たった。

須藤はその場で膝を着いた。

吉田はもう一度引き金を引いた。

銃弾が須藤の腹に当たり背中から飛び出した。

兼子は起き上がり、階段を上がり正面から吉田に襲いかかった。

吉田は、兼子に向かって銃を向けた。

兼子は怯むことなく吉田に掴み掛かろうとした。

吉田は兼子の猛烈な怒りを感じ取り恐怖のあまり、引き金を何度も引くのだった。

一発だけ銃弾が飛び出しただけで、後は空撃ちになった。

その一発が兼子の肩に当たり、吉田は体制を崩した兼子の横をすり抜けるときに現金の入ったバッグを落としたが、そのまま外へ飛び出しワゴン車に乗り込んだ。

そして、猛スピードでホテル街を抜け一時停止もせず大通りに飛び出したところで、大型トラックとぶつかりそうになり、ハンドル操作を誤ってガードレールの途切れた所に突っ込み、そのまま車ごと転げ落ちて逆さまになって川に落ちた。

車は転覆したまま流されていった。

その車から吉田が出てくることはなかった。



神栄商事の倉庫内では、倒れている須藤を抱き締める琴音が泣いていた。

『ひ、ひろ…ゆき…い、要るか…』

『兄貴…』

『お、おれ…よ…い、今…はじめ、て…し、死にた…くねぇって…おも…』

須藤はそれ以上話せなくなり、琴音の顔を見ながら静かに目を閉じた。

神栄商事と亮介、須藤の抗争はクリスマスイブの前日に終わった。

冷たい月が浮かぶ寒い夜…。

ホテルのネオンは、いつもと変わらないであろうきらびやかな光を放っていた。




エピローグに続く。。。



どもです♪(*´∇`)ノ

須藤という犠牲を伴い、抗争は終わりました。

須藤さんをラストにどう描くか…
ワタクシ悩みました。

ハッピーエンドで終わらせるか…
ハードボイルドらしく終わらせるか…

若しくは、選択方式で両方のエンディングを書くか…

悩んだ結果、ハードボイルドらしい今回のストーリーにしました。

この須藤さんを、一連の事件をエピローグで綺麗に仕上げたいと思います。

次回のエピローグ
お付き合い頂きたく宜しくお願い致します♪

今回も最後までお付き合い
ありがとうございました♪

また来てね♪(@^^)/~~~

今回の選曲♪
【Without you】マライア・キャリー


いつも応援ありがとうございます♪
お帰りの際に気が向いたらぽっちり一押し
宜しくお願いします♪:*(〃∇〃人)*:

テーマ : ハードボイルド
ジャンル : 小説・文学

トマトへ…


トマトヘ💕


君の小さな温もりと

君の小さな胸の鼓動は

私の大きな哀しみと

私の大きな苦しみも

何処かへ追いやる不思議な力…


まっすぐに見つめるその瞳が

私の心を見透かすように

寄り添う君は

私を見上げて鳴きながら

私の膝で眠る君…


愛しくて…たまらず抱き締めると

私の腕に身を任せる…


君が側に居るだけで

私の心は軽くなるんだ…


美香。。。


短歌

傍らでアンモニャイトの君の背に添えるこの手に伝わる甘え

「ごろごろ」が手に響く愛しさ( 〃▽〃)
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アンモニャイト♥
20201202075910373.jpg

「ねえ入れて」夜中に毛布かきむしり上げる毛布を潜る冷たさ

夜中に窓辺で外を見ていたトマトが私のベッドに戻ってきた時です♪
鼻が冷たいこと🌁⛄🌁

寝入り際めくる毛布のその下でへそ天向けて寝てる愛猫

トマトのあられもない寝姿を見た私の第一声…「あらま(笑)」でした(*^^*)


俳句

冬篭猫と遊んだかくれんぼ

冬籠猫耳覗くかくれんぼ


この部屋に猫と寄り添う冬篭り

傍らの猫の寝息の冬籠

俳句って難しい~(^^;
でも面白い(*^^*)


20201201060809ff2.jpg


どもです♪(*´∇`)ノ

今朝も綺麗な月が見えてましたね♪

朝からトマトと一緒にまったり♪

2020120107063273e.jpg


今朝は、やたら甘えてきたトマト😺
私にとって、パートナーと居るときのような幸せ感♪

だから私もトマトの要求をできるだけ分かってあげたい。

ニャンコやワンコに限らず、一つ屋根の下で暮らしていれば鳥でも亀でも金魚でも命がある家族です。

飼えなくなったからといって、『捨てる』という考えは持たないようにしましょう(*^^*)
飼えなくなっても、何かしら方法があるはずです。
色々な所へ相談したり、ネットで呼び掛けてみたり(*^^*)b

近頃、捨て猫、捨て犬、ミドリガメを池や川に放流がかなり増えているようです。

生き物は全て命があります。
飼うと決めたら最後まで(*^^*)b

私ごときが偉そうなことを言って申し訳ありません。

では、このへんで…

今回も最後までお付き合い
ありがとうございました♪

また来てね♪(@^^)/~~~

次回の更新はハードボイルド【妹…】です♪

今回の選曲♪
【メイン・テーマ】薬師丸ひろ子
特に、記事とは関係ありません♪


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テーマ : 短歌
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プロフィール

美香

Author:美香
いらっしゃいませ♪
LGBT(トランスジェンダー)美香のブログへようこそ~♪

このブログは、私のリアルな日常や思うこと、感じたこと、など書いてます。
エッチな記事も含まれてますので苦手な方は飛ばして読んでくださいね♪

リンクはご自由にどうぞ♥

また、ご連絡いただければ、よろしければ私の方でもリンクさせていただきます♪

よろしくお願いいたします♪

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