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海辺のバンガロー 其の五👻

2019.10.16(04:09) 363



久々の【海辺のバンガロー】その五 更新です。


【その一👻】【その二👻】【その三👻】

【その四👻】

お時間のあるときにでも読んでみてくださいねー♪


それでは本編へお入りください👻

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


段ボールで作られた即席ゴミ箱に捨てられ難を逃れた、焼き肉パックに化けていた新人お化け。

背中の皮は絵理に踏まれて引き裂かれ、挙げ句の果てにゴミ箱に捨てられた新人お化けは、ゴミ箱からの脱出を試みるのだった。

『こ、こいつら鬼だ…危なく食われるとこだった…。ちくしょー、背中の皮が破れて痛てーよ…』

すっかり戦意喪失な新人お化けに更なる絵理による無意識の仕打ちが待っていた。

『このステーキ味付け塩胡椒でいいよな?絵理、そこの塩胡椒取って』

雄二に言われて絵理は野菜を切っていた包丁をテーブルに置くつもりが、塩胡椒を探しながらだったので絵理がテーブルに置いたつもりの包丁は、テーブルから逸れたゴミ箱の上だった。

当然、ゴミ箱の上の何もないところで、絵理の手から離れた包丁は重力に従いゴミ箱に落下するのだった。

『サクッ』

『!!!』

背中に気を失いそうな激痛を感じる新人お化け。

『塩胡椒~、あった!』

絵理は塩胡椒を手に取り新品の塩胡椒の蓋の部分のラッピングを外したときに手を滑らせてテーブルに落としてしまった。

落ちた塩胡椒の小さな容器は衝撃で蓋が開き、こぼれた塩胡椒はゴミ箱へ…。

皮が破れて包丁が刺さり〆に塩胡椒で気を失うには十分な痛みで新人お化けは完全な戦線離脱となった。

『ありゃー、ちょっとこぼれちゃった…』

絵理が頭を掻きながら雄二に塩胡椒を渡した。

『絵理…、花嫁修行やり直そっか…。それとも俺と一緒になるか?手取り足取り花嫁というものを教えてやるぞ?』

いやらしそうに笑う雄二。

『雄二くんには浩二くんがいるから、あたしが雄二くんのお嫁さんになったら浩二くんに恨まれちゃうのでお断りします』

それを聞いていた浩二は何故かはにかむ仕草を見せるのだった。

『だから何でお前が照れるんだよっ!』

雄二が浩二を見て側にあった玉ねぎを浩二に投げつけた。

飛んできた玉ねぎを片手で掴んだ浩二。

『おー、さすが気の会うお二人さん♪結婚式には呼んでくれよな』

茶化す悟史。

『だからそんなんじゃねーってば』

慌てて否定する雄二。

浩二は何も言わずに炭火を確認していた。

『ほら雄二、浩二は何も言わねーじゃん♪
今じゃ、LGBT だって皆カミングアウトしてるじゃねーか。
恋愛なんてもんは個人の自由。
その個人の恋愛に他人がとやかく言う事じゃねぇし。
今だって俺は、雄二と浩二のこと茶化してっけど、その事が仮に本当だとしても俺は否定しないし心から喜ばしい事だと思うんだ』

悟史はいつになく真面目な顔で話していた。

『どした悟史。なんでそんな話するんだよ。なんか身近にそういうことあったのか?』

雄二は何時もらしくない悟史を見て問い掛けた。

『まぁなー。そんなとこだ。だから今夜は布団並べて敷いてあげっから仲良く寝なさい♪』

悟史はニヤリと笑って雄二を見た。

『熱く語ってそこで落とすか』

雄二もニヤリと笑って牛ステーキに塩胡椒をかけて味付けを始めた。

美香と絵理は二人でお喋りしながら野菜を切り、紙のお皿に盛り付けていた。

『よーし!墨の火も安定してきたからバンバン肉焼いてバンバン食おうぜ!』

『おー、腹減ったなー。みんな食おうぜ!』

雄二はそう言って紙皿に焼肉のたれを注ぎ、一人ずつ渡していった。


その一部始終を見ていた、この地に住み着いているお化けの長老。

ゴミ箱で瀕死の状態でいる新人お化けの救出に頭を悩ませていた。

『あいつら鬼だ…新人を食おうとしてた…。踏まれて刺されて傷口に塩を刷り込むなんて人間のやることじゃねぇ…』

お化けの長老は心底震え上がった。

『ここはワシだけでは新人を助けられん…先発隊は何してんだ…』

そこへ意気揚々と鼻歌を歌いながらバンガローの地へ戻ってきた女のお化け。

『長老ー♪』

長老を見つけた女のお化けは手を降りながら長老の側に駆け寄ってきた。

『お、お前…どうしたんだ…』

『やだぁ、珍しいものでも見るようにそんなに目を丸くしちゃってぇ~♪どうしたんですか?長老さん♪』

ニコニコ笑顔で長老に話しかける女お化け。

『い、いや…お化けらしからぬ血色の良い顔してるのは何故だ?奴等にお札でも貼られたのか?』

『お札?貼られてませんけど…。でも、女を再確認させられるものは見ちゃいました(*/∀\*)』

『なんと!何を見せられたのだ!それはお前を哀しみの呪縛から解き放つほどのものなのか…我らの結束はどうした?ここに来る人間どもを追い返すんじゃなかったのか?』

『それは忘れてませんけどぉ~♪出来ることなら、あのお方だけは追い返したくなくってぇ♪』

女のお化けは悟史の事を思い浮かべては顔を赤らめていた。

そして女のお化けは、離れたところでバーベキューをしている悟史を見つめた。

その悟史と楽しそうに話している美香を見たとたん、女のお化けは本来のお化けとしての、哀しみと寂しさを含んだ顔に戻った。

『あの女…あの人と楽しそうにお喋りしやがって…』

哀しみと寂しさに加え憎しみが込み上げた女お化けは、美香に対して邪念を送ったのだった。

しかし、悟史が持ってきた銘酒を飲んでいた美香には邪念の入り込む隙が無かった。

浩二を除く四人とも銘酒を飲んでいたので、女のお化けの邪念と悟史に対する気持ちがダイレクトに浩二に伝わってしまった。

浩二は何かあったときに、すぐ車で逃げられるようにと元々お酒に強くない浩二は烏龍茶でバーベキューを楽しんでいた。

女のお化けの思いがダイレクトに浩二に伝わって、浩二の意思とは関係なく突然涙を溢したり、雄二に熱い視線を向けたかと思えば美香と絵理に対して冷たくなったりと、浩二の振る舞いが明らかにおかしくなっていた。

悟史は、そんな浩二を見てさっきの折れた木の枝を谷底へ落としたときの誰かに見つめられていた感覚と今の浩二の振る舞いが何となく同じような気がしていた。

『ねぇねぇ…浩二くん何か変じゃない?』

絵理に耳打ちする美香。

『だよねー』

頷く絵理。

そして、本来のお化けに戻った女お化けにほっと安堵のため息を吐くお化けの長老。

しかし、新人お化けはゴミ箱の中で瀕死の状態。

先発隊の男のお化けは帰ってこない。

女のお化けはどうやら男に惚れたっぽい。

『こうなれば幽霊たちに協力をしてもらうか…』

脅かしてこの地から人間を追い出すのがお化けの役目。

しかし、手強い5人組に対して恥を忍んで幽霊達に協力を要請しようとする長老であった。



長老はゴミ箱にいる新人お化けを助けられるのか…

女のお化けの思いが憑依した浩二はどうなるのか…

といったところで…

続くのです…(*^-^)

よかったらまた来てね(@^^)/~~~➰💋

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移り行く日々の徒然に…


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