リネージュ2 二次創作長編小説 7
血盟主 ギラン城主リキ
ハリスはリザードマン6匹相手に勝てるとは思っていなかった。
だがハリスは闘志剥き出しで短剣を抜いてリザードマンを睨み付けていた。
ハリスは左手に短剣、右手に投げナイフを隠し持っていた。
ほんの少し睨み合いが続いた。
先に動いたのはハリスだった。
隠し持っていた投げナイフをリザードマンの胸を狙って投げた。
ナイフはリザードマンの胸に深く食い込み、リザードマンは倒れてのたうちまわっていた。
そして右から突進してきたリザードマンに、ハリスは低く身構えて短剣を下から上に向かって突き上げた。
リザードマンの顎に短剣が突き刺ささり、リザードマンは呆気なく絶命した。
それを見ていた残りのリザードマンが一斉にハリスに襲い掛かった。
ハリスには成す術がなかった。
『くそ、だめか、、』
ハリスが死を覚悟したときに、突然大きな物体がリザードマンを跳ね飛ばしていった。
血盟主リキ
………ギラン城主(血盟主)リキ(ドワーフ)はワイバーンに乗りギランから海を渡り島名(話せる島)へ行き島からグルーディンへ行く途中だった。
城主故、何かと敵の多いリキは側近二人を連れていた。
そして島からアデン本土に差し掛かった海岸線でリザードマン数匹に囲まれている者をみつけた。
傍らに女性が倒れているのが見えた。
戦闘が始まった。
すぐに一匹のリザードマンが倒れた。
続いて二匹めを倒した。
『ほう、中々やるのぅ』
リキはワイバーンに乗り上空で旋回しながら見ていた。
そして四匹のリザードマンが同時に襲い掛かっていったのを見ていたリキ。
『こりゃさすがにまずいな』と呟きワイバーンを急降下させた。
ワイバーンの足の爪が一匹のリザードマンの身体を引き裂いた。
続いてリキの側近二人もそれぞれがリザードマンをワイバーンの爪で引き裂いた。
ハリスは一瞬何がおきたのか解らなかった。
生き残ったリザードマンも同じだった。
リキと側近はワイバーンから降りて、生き残りのリザードマンに近づいた。
白く立派な髭をはやした小柄な人だった。
『なんだテメーは!』
リザードマンが食ってかかった。
『わしの名前はリキ。お前さんらの親分エビルスビフロンはわしの事をよーく知っていると思うんじゃが?』
リザードマンはリキという名前を聞いて驚いた。
リザードマン達の間では知らない者はいなかった。
リザードマン200匹を一人で倒し更にリザードマンのボスであるビフロンの側近も倒し、ビフロンも大怪我をした、と聞いていた。
強靭なパワーと体力の持ち主、それがドワーフのリキである。
リキはハリスに話し掛けた。
『何故こんな危ないところにいるのだ?』
ハリスはまず、助けてもらったことに礼を言い、ステラの傷を包帯で巻いてから話始めた。
リザードマンが旅人を襲い金品を奪ったりしてること、自分達はリザードマンによって殺された人達の遺品を探しにきたこと等、今までのいきさつを話した。
『なるほど、まだこやつらはそんな悪さをしておるのか。少し懲らしめてやらんといかんのぉ』
そう言ってドワーフ特有のスキル、敵を倒して隠し持っているものを吸い出すスキル、スポイルを生き残ったリザードマンにかけ槍で一突き。
リザードマンは呆気なく倒れリキはリザードマンの持ち物を吸い出した。
アクセサリー数個がでてきた。
『これも誰かの取ったんじゃろぅ、遺品の回収品として持って行きなさい』
ハリスはそれを受け取った。
そして他の倒れたリザードマンの持ち物からステラの装備一式がでてきた。
それからハリスは自分を探している仲間の声を聞いた。
『ハリスー!ステラー!』
アドロ達が近くに来ていた。
ハリスはアドロ達の呼ぶ声に応えた。
そして、ハリスとステラは無事に皆と合流できた。
サラたちはステラの怪我を心配した。
『大丈夫。傷は少し深いけど命にかかわるほどではないよ』
ハリスが皆にステラの傷の状態を告げた。
そしてハリスはギラン城主、盟主リキを皆に紹介した。
アドロ達はそれぞれがリキと側近に礼を言った。
サラはリキという名前に聞き覚えがあった。
『あの…』
サラはリキに話し掛けた。
『なんじゃ?』
『クラゥディ・Jをご存知ですか?』
『おぉ!貴女はクラゥディ殿をご存知か?今、何処におるのじゃ?教えてくれんか?』
『クラゥディは私の父です』
サラはニッコリ笑いながら言った。
『おぉ!お嬢さんでしたか、是非会いたいのじゃが…今、何処におられるんじゃ?』
『今、ハンターの仕事で胞子の海へ向かっています』
不安げな顔でサラは言った。
『なんと!!あんな危険な所に行っておるのか…、何人で行っておるのかな?』
8人です。サラは応えた。
私の父と叔父も一緒です。アドロはリキの顔を見て少々自慢げに言った。
『たった8人でか!!』
リキは更に驚いた。
あなたの父と叔父の名前は?リキはアドロの顔を見た。
ガルシニアとラシュです。
『おぉ!!これまたびっくりじゃ!!鋼の腕が四本か…8人という人数も解る気がするわい』
しかしリキは『うちの血盟員を50人ばかり集めてオーレンの街で待機させておいてくれ』
リキは側近の一人アルテアに言った。
『しかし盟主!オーレンは我がギランと対立している城です。まずいのでは?』
『私が話しを付けておく、心配するな』
リキは言った。
その時、気を失っていたステラの意識が戻ってきたのか呻きながら身体を動かしていた。
ステラの身体にかけたハリスのシャツがずり落ちた。
サラとティアラ、サリーは急いで下着姿だけのステラの身体を隠した。
男達は一斉にステラに背中を向けた。
『わしのような爺には目の毒じゃ…血圧上がって倒れちまうぞ…』
リキは頭をかきながら気まずそうに言った。
『ところで盟主さん?胞子はやっぱりとても危険な所なのですか?』
サラはくすっと笑いながらリキに聞いた。
『勿論オルフェンはとても危険なモンスターだ。それと同じくらいトリサリムトート(凶暴な蜘蛛のモンスター)も危険だな。普通のトリサリムと同じような姿をしているが普通のトリサリムより数倍はつよいぞ。そして奴らは蜘蛛のモンスター。足がやたらと早い。ウィンドウォークを使っても逃げきれるかどうか…』
『お父さん達その事知っているのかしら…』
サラの心配症がむくむくと首を持ち上げて来た。
『わしの命の恩人に恩返しできる時がきたようじゃな。クラゥディには昔攻城戦で何度も助けてもらったんじゃ』
そう言って側近のアルテアに城に戻って兵を集めてオーレンの町に待機させるように手配した。
アルテアはワイバーンに跨がりギランへ向けて飛び立った。
そしてリキはアドロ達の剣を見せてくれと言った。
アドロもスタッドもカタナ二刀、OE(オーバーエンチャント、武器の強化)無しだった。
『魔法の薬を振り掛けてやるからな』
そう言ってリキは作業を始めた。
少ししてアドロとスタッドにカタナが戻ってきた。
『一降りしてみなさい』リキが言った。
アドロとスタッドは剣を振り下ろしてみた。
『おぉ!!』
二人揃って声を上げた。
『すげぇや!!』
嘘の様に軽いのである。軽くなった分攻撃速度が早くなった。
更に攻撃力も上がっていると、リキは言った。
ハリスの弓は今のままが1番バランスがいい、と言って何もしなかった。
エリウスにはシールドの回避力、防御力 を上げた。
盟主!!有難うございます。皆が言った。
皆、大喜びだった。
リキは眼を細くして顔に深いシワを作って笑っていた。
『これから君達はどうするんじゃ?』
倒れているステラを見て皆に聞いた。
『一旦村に帰ります。ステラの怪我も治さないと…』
アドロは皆の顔を見ながら応えた。
『そうじゃな。そうしたほうがいい。とりあえず、この薬を塗ってあげなさい』
これは?サラが聞いた。
『痛み止めじゃ』
リキはそう言って、ハリスを見た。
『ハリスとやら、ギランの血盟に入ってみる気はないか?おぬしのような若い力が欲しいのじゃ』
リキは続けた。
『勿論、皆にもきてほしい』
アドロ達の顔を一人づつ見て言った。
考えておいてほしい。
そう言ってリキはハリスにある物を渡した。
『これは?』ハリスが聞いた。
『ゲートキーパートークンじゃ。それを使えば目玉が飛び出る程のアデナを使わなくてもゲートキーパーを利用できるぞ』
ゲートキーパーは村から村へ瞬時に移動できるものだが、とても高いお金を払わないと使えないのだった。
『血盟に入ってくれるのであればそれを使ってギランヘ皆できてほしい。トークンを使う者の身体に触れていれば皆、一緒にこれる。勿論、強制ではないからの。よく考えて返事をくれればいい』
そう言ってリキは目尻に深いシワを作って、また笑った。
『この子はわしがグルーディンまで送り届けてあげよう』
そう言ってワイバーンにステラを乗せるようサラ達を見た。
サラ達が装備を着せたステラを乗せてリキは先にグルーディンへ向かった。
『血盟か…』
アドロが一人言の様に呟いた。
『俺、入ってみたいな』ハリスが言った。
『皆でやってみないか?』ハリスが続けて言った。
『実は俺も入ってみたいなって思った』アドロも同じ気持ちだった。
エリウスもスタッドも大きく頷いていた。
『血盟ってお城攻めたりするんでしょ?相手はモンスターじゃないのよ!人間同士お互い殺し合うのよ!止めたほうがいいよ。それに遺品回収はどうするのよ!』
ティアラが怒った口調で言った。
『もちろん最後までやるさ』
スタッドが男たち皆の顔を見て言った。男たちは皆頷いた。
『リキさんもよく考えてくれって言ってたじゃない。じっくり考えた方がいいよ。私は反対だけどね!』
アドロを見ながらサラは言った。
とにかく、一旦帰ろう、ということになった。
サリーが『じゃ、ティアラ。リコよろしく』
『あっ!そうか!私パーティーリコールあったんだよね。あはは』
『ステラ行っちゃったよね・・・』
『リキさん大丈夫かしら・・・・・』
ティアラが心配そうにつぶやいた。
そのころリキは、ワイバーンの背中からずり落ちそうなステラを必死につかんでいた。
『重い・・・手が・・・痺れてきたぞ…』
ステラを落ちないよう、必死に掴んでグルーディンへ向うリキであった。
そして…
ギラン城主、ギラン血盟主のリキがグルーディンへ向かっているとき、ギランと敵対関係にあるインナドリル軍は、リキが不在な時を狙って、ギラン城奇襲の準備を進めていた。
続く…

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