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リネージュ2 二次創作長編小説 10

2017.10.15(14:37) 154

サラの危機 ダークエルフ


サラは腰に巻き付けた小物入れの中から、自分の魔力を高めるエンパワーポーションを素早く飲み込み、特別に魔法攻撃力を高める祝福されたスピリットショットをデーモンスタッフに込めた。

サラは、ちらっとミミに目を向けた。

ミミの尻尾が少し動いた。

同時にミミの尻尾のすぐ横にナイフが突き刺さった。

『あっ!!チキショー!!外れやがった!!』

数匹いるリザードマンの一匹がミミの尻尾を投げナイフで遊び半分で狙っていたようだった。

それを見たサラの怒りが爆発した。

サラの祝SPSを込めたハリケーンがリザードマンに直撃した。

サラのハリケーンを、まともに受けたリザードマンは瞬殺された。

リーダーらしき身体の大きなリザードマンが他のリザードマン達に怒鳴りつけた。

『おぅ!お前らっ!!女一人だからって油断してるんじゃねーぞ!!この女、ハウラーだぞ。魔法攻撃に気をつけろ!!誰か仲間呼んでこい!!野郎共!この女を取り囲め!!』

リザードマン達はサラを扇状に取り囲んだ。

サラは、またハリケーンを打ち放った。

一匹のリザードマンが倒れると同時にリザードマン達はサラに襲い掛かった。

サラのローブに手をかけたリザードマンを接近戦攻撃魔法オーラバーンで倒した。

左からも右からもリザードマンが襲い掛かってきた。

サラは後ろに跳び、身を交わしてオーラバーンを放った。

またリザードマンが倒れた。

残り三匹になったリザードマンの一匹にウィンドストライクを打ち放った。

ハリケーンより数段弱い魔法攻撃なので、ダメージを与えただけだったがリザードマンはうずくまった。

その時右前方の暗闇から無数のリザードマンが現れた。

暗くてよくわからないが、サラが見た限りでは40~50…もっと居るかもしれない…。

その時、リザードマンを見据えていたサラの足に何かが触れた。

ミミだった。

意識を失っていたミミは目を覚まし、サラを庇うかの様にサラの前に出てリザードマンから目を逸らす事なく、低い唸り声を出していた。

『ミミ…』

ミミの耳が、サラの声にピクリと反応して僅かに動いた。

サラはオルマフムたちの方へ視線を動かした。

オルマフムの姿は暗くてよくわからないが見当たらなかった。

オルマフムとリザードマンの争う声も聞こえなくなっていたので、オルマフムは全てリザードマンにやられたのだとサラは思った。

『こんな小娘、早く取っ捕まえて装備引っぱがして帰ろうぜ~!!』

リザードマンの一匹が言い放った。

その声に反応したサラはミミが無事だったことで、気を取り直し身構えた。

『よし!おまえら!!小娘を逃げられないように取り囲め!!』

身体の大きなリザードマンが怒鳴った。

サラはリザードマンの数を見て、数日前にこの近くの海岸で見つかった少女の事が脳裏を過ぎった。

『早く装備取っ払って帰ろうぜ!!』

いらいらした口調で言いながらサラを取り囲もうと動き出したリザードマンにミミが襲い掛かった。

ミミは素早い動きで跳躍してリザードマンの喉元に食らい付き、鋭い牙で引き裂いた。

間髪入れずに、ミミは横にいたリザードマンの足に牙を食い込ませた。

リザードマン達はミミの先制攻撃に体制を崩した。

すかさず、サラもミミに負けじとハリケーン、シャドースパーク、フレイムストライク、ウィンドストライク、

と続けざまにスキルを使い、リザードマンはバタバタと倒れていった。

が、明らかに数が多過ぎた。

ミミは傷を負ったのか、後足の片方を上げたままひょこひょことサラの前に戻ってきた。

そしてリザードマンを睨みながら唸り声を出していた。

が…力尽きたのか、ミミは崩れる様に倒れた。

そして立ち上がろうとするが、立てなかった。

サラはミミを抱き寄せた。

ミミの頑丈なミスリルアーマーはミミの暖かい血で濡れていた。

『ミミ…ごめんね…』

ありがとう…

私を助けてくれようとしたんだね…

サラは心の中でつぶやいた。

そして…静かにミミの荒い息遣いが泊まった。

サラの腕に抱かれたミミの身体から力が抜けていくのがわかった。

『ミミ!ミミ!』

サラはミミの名前を呼び、身体をきつく抱きしめた。

そしてミミの身体を静かに横たえた。

悲しみと共に凄まじい怒りが込み上げてきた。

リザードマン達は体制を整えつつあった。

サラは立ち上がるや否やハリケーンを立て続けに放った。

数匹のリザードマンがサラの後に回り込み、サラの髪の毛を掴みサラの動きを封じ込めようとした。

サラは無意識に左手で短剣を抜き後のリザードマンの腹の辺りに突き刺した。

そのまま短剣を引き抜き前から襲い掛かってきたリザードマンに突き刺した。

更にオーラバーンでリザードマンを倒したが…

ここまでだった。

サラは両腕を掴まれ魔力を維持する大切なローブを剥ぎ取られてしまった。

デーモンスタッフも奪い取られたサラは側に横たわるミミの姿を見ていた。

ミミ…もうすぐ逢えるかもしれないよ…

『全部引っぱがしちまえ!!』

リザードマンが叫んだ。

お母さん…助けて…

サラはリザードマン達に、揉みくちゃにされながら、無理だと思いながらも母親セシルに助けを求めたのだった。


続く

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空のアルバム 14頁目 【記憶…】2017 10月7日撮影

2017.10.13(23:01) 153

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静かな風に誘われて

思わず空を眺めれば

流れる雲は形を変えて

ゆっくりゆっくり消えていった…


忘れたい記憶も

雲のように消えて無くなればいいのに…


消したい過去

消したくない過去

どちらも過ぎたことだけど…

それでも…忘れた頃に私を悩ます黒い過去…

忘れたいのに記憶のかけらが甦らせる

それなのに…忘れたくないのに薄れていく大切な記憶…


消したい過去も

あの雲のように消えて無くなればいいのに…


忘れたくない思い出は…

写真のようにいつまでも鮮明に残ればいいのに…




雨の降る日は貴女を偲ぶ…

わがままな私の支えになってくれた貴女…


私が心の迷いで道が見えなくなったとき

貴女は月となり、私の歩むべき道を照らしてくれた…


私の心に耐え切れぬ蟠りができたとき…

貴女は海となり私の心に満ち潮となってあふれ

引き潮となり私の汚れた心を洗い流してくれた…

私が悲しみに心を痛めたとき…

貴女は風となり私を優しく包んでくれた…

私が怒っているときは、貴女は花となり私に優しさを教えてくれた…

私の心が冷たくなっていたときは、貴女は太陽となり私の心を暖めてくれた…

母であり、姉であり…


私の髪は、貴女の長さをこえたよ…

私の歳は、貴女の歳をこえたよ…

でも…お姉ちゃんはいつまでも私のお姉ちゃん…


雨音に誘われた大切な私の想い出…


雨降る夜の独り言…


涙そうそう


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トマトと洗濯物と夜のデート💑

2017.10.10(17:22) 152


どもども~(*´∇`)ノ

10月7日の朝の空(*^.^*)


暦も10月に入り朝晩はめっきり涼しくなりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか(*^.^*)

秋桜

昼間はうっすら汗をかく陽気ですが、朝晩の気温の差で体調崩したりされませんよう、お気をつけくださいね(*^.^*)b

そして私は先日の腎臓検査入院をして、仕事復帰の2週間目になりました。

1ヶ月以上、仕事お休みしていたので疲れる疲れる(^_^;)

でも、なんとかリズムを取り戻しつつあります♪

そして、昨日の10月9日体育の日は、とても良いお天気でした♪

前日日曜日に洗濯した乾し物を取り込み、ベッドの上に放り投げて、シーツや毛布を変わりに洗濯機に入れて洗い始めたのであります。

そして、ベッドの上に放り投げた洗濯物をたたみだしたとき…邪魔をするものが…(^_^;)

乾いた洗濯物に、何故か興奮する黒猫トマト(´・∀・)

ほらほら邪魔だよ!と言いながら洗濯物を前足で欠くように退けて頭を突っ込むトマトを退けた(´∀`*)

洗濯物を狙うトマト

私が、また洗濯物をたたみだすと、わざわざたたんだ洗濯物に突進してくるトマトなのでありますw

わざとたたんだ洗濯物に頭を突っ込んでるとしか思えない( *´艸`)

そして、ひもパンの紐をくわえじゃれ出す始末( =^ω^)

このままだと、たたんでもバラバラにされるのは目に見えているので遊んであげる事にしたのであります♪

パンティに頭を突っ込むトマト

そんなにパンツが好きならば…と…( =^ω^)

トマトに被せてやった♪

変態仮面w

変態仮面水玉トマト(´∀`*)

パンツの脇からこんにちは♪

まだまだ遊び足りないトマト♪

洗濯物に埋もれた、うねうね動いてる自分の尻尾にロックオン(=゚ω゚=)ウズウズ

紐パンの紐で暫く遊んであげたら、満足したのかベッドに座る私の膝の上に上がってきた。

トマトとオマケのパンチラ(///∇///)

大人しくなったのはいいが…どちらにしても洗濯物はたためないわけで…( ̄▽ ̄;)ドイテクレル?トマト…

退かそうとすると…ニャア~と鳴いて嫌がる…

無理に退かすと洗濯物の上に…(^。^;)オイオイ

嫌がらせするトマトw

そんなとき、仕事を早めに終わらせたパートナーが来たのであります♥

お腹がすいた、とパートナー♥

豚の角煮(真空パック)をお鍋で温めて、大きな角煮を包丁でスライスしてビールと一緒に出してあげた。

これが真空パックの角煮だけどとても美味しかった。

パートナーはビールと角煮でお腹を満たしたら、食欲のあとは性欲なわけで…(///∇///)

二人でシャワーを浴びてそのまま夕暮れ前のベッドイン♪

私がパートナーの⚪ん⚪んをペロペロゴックンのあと、合体…(///∇///)

パートナーは食欲、性欲を満たし、その後は仕事の疲れと二つの欲を満たして気持ち良さそうに寝たのであります(*^.^*)♥三大欲求満喫なパートナー♥

そして、ベッドにたたんで置いたままだった洗濯物は再び私とパートナーでバラバラになったのであります。
( ;∀;)アラマー

そして夜の9時過ぎに目を覚ましたパートナー。

そのまま、ご飯も食べずに二人で夜のデート。

何処に行くのかは、私には教えてくれず…

支度をして出発~(*´∇`)ノ♥

おでかけ~♥

筋肉質な腕と太い指に関しては突っ込まないように♪
(*^.^*)b

パートナーの車の助手席に乗り込み、最初にたどり着いた場所は、横浜の…とある発展場である公園w

そこは、パートナーが女装を始めた頃よく行っていた公園だそうで…その時も知り合いが何人か居たのであります。

少し、その方達とお話をして公園をブラブラしてると…流石発展場wゲイの方たちがベンチで在られもないことを(*ノ▽ノ)ワー

見て見ぬふりで車に戻り、夜のみなとみらいへ…

横浜の有名な赤レンガ
赤レンガ

赤レンガ

赤レンガ横からみたみなとみらい♪
みなとみらい21

夜も遅い時間だけど、若い人のグループやカップルがたくさん(*^.^*)

何処かの船w

川面に煌めく眩い光…
みなとみらいの夜景

みなとみらいの夜景

みなとみらいの夜景

横浜ランドマークタワーの下には以前は大きな船のドックだったそうです。
ランドマークタワーの下
確かに船のドックの面影はあるね(*^.^*)

そして、その場所から見上げたランドマークタワー♪
迫力あります(*^.^*)b
下から見上げたランドマークタワー

そして、そのまま側にある日本丸を二人であーだこーだとカメラアングルを探り三枚パシャリ♪

日本丸

日本丸

日本丸

日本丸に関しての情報はこちらへ(*^.^*)
日本丸メモリアルパーク

興味ある方はタップしてみてね♪メモリアルパークのWikiにリンクしてあります♪

暫く二人で手を繋ぎブラブラしたあと、帰路に付く途中で、テレビドラマ等にもよく使われるという場所へ寄道♪

横浜の、とある場所にある大原隧道♪
201710101625482f3.jpg

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大原隧道

大原隧道
長さ250メートル程の歩行者専用のトンネルです。

パートナーに、どこまで歩けるか行ってごらん?と言われたけど…

夜中の1時を回っている丑三つ時?に一人で入るには、ちとキツい(´゚ω゚`)

パートナーは幼少期から、この辺りに住んでいたそうで、小さいときからこのトンネルを知っているのでした♪

このトンネルは、ドラマでも度々使われていたそうです。

隠れた横浜のスポットだね(*^.^*)

そして、大原隧道の近くにある大きな公園には、これまたテレビドラマによく使われる大きな木があります♪
大原隧道の近くにある大きな公園

暗くてよくわからないけどシルエットは辛うじて見える?(^_^;)

どんなドラマに使われてたかはわからないけど、知る人ぞ知る有名な木だそうです。

そこは小高い丘になっていて、空を見上げれば冬の星座であるオリオン座がハッキリと見えてた♪
昼間は暑かったけど、自然のサイクルは変わりなくやってくる。

既に10月も半ばになろうとしていますが、来月には木枯らしが吹き、木々は紅葉して人々は冬支度に入るのでしょうね♪

移ろい行く季節のなかで、私とパートナーの想い出が、また一つ増えた初秋の夜なのでした♪

帰りに二人で牛丼食べて、帰宅したのが夜中の2時半過ぎ(^_^;)

私は、この記事を書いている本日は病院へ行く日なのでお休みだったからいいけど、パートナーからの電話は眠い~と言ってた(^_^;)

でも、私を楽しませる為に誘ってくれた横浜夜景の四時間のデート💑

楽しかったよ♪あい♥

ありがとう♥


私の休日の一日でした(*^.^*)

最後まで、読んでいただきありがとうございました♪

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リネージュ2 二次創作長編小説 9

2017.10.08(21:01) 151

旅立ち201710011342055ba.gif




サラは 一人で家にいた。

夜はアドロと一緒に食事をする約束をしていたのだ。

また新婚の気分になれるな~…。

サラは、そう考えて一人にやけていた。

そして、夜になり食事の支度も終わり、アドロが来るのを待っていた。

しかし、いくら待ってもアドロは来なかった。

そして、とうとう朝になった。

『なによ!一緒に御飯食べる約束してたのに!』

独り呟きながら、サラはアドロの家に向かった。

サラはアドロに会ったら、文句の一つも言わないと気が済まなかった。

アドロの家に着いたサラは少し怒りをあらわにアドロの家のドアを叩いた。

…返事がない。

窓から中を覗いてみたが、帰った様子はなかった。

『おかしいな…』

そして、そのままグルーディンの街へ行ってみた。

そこで、オーレン城、ディオン城城主が、ギラン城主がいないのを見計らい、ギランを奇襲攻撃したインナドリル城に対し宣戦布告したことを知った。

そして、アドロ、ハリス達が、ゲートキーパーでギランへ行った事を知り合いから聞いたのだった。

サラは居ても立ってもいられなかった。

『私をおいて戦争にいったんだ…』

アドロへの不満と不安が入り交じった、何とも言い難い気持ちがサラの胸に残った。

サラは、すぐに家に帰りギランへ行く為に旅の支度を始めた。

戦争に間に合わないのはわかっていた。

ましてや、ギランまでどのくらい時間が掛かるのかもわからなかった。

それでも、サラはギランへいきたかった。

父、母よりもアドロの傍に行きたかったのだ。

そしてアドロを連れ戻したい気持ちもサラの中では強かった。

支度を終えたサラは一度街へ行き、必要な物を買い揃えてすぐにギランへ向かって歩き出した。

明日には大規模な戦争が始まるだろう…。と、サラは思っていた。



領地争いの絶えないアデン大陸。物流の盛んな大きな街は今までにも幾度となく争いに捲き込まれていた。

ギランの街も例外ではなかった。

アデン大陸の中にある街や村には、そこを領地とする城があり自分たちの領地を管理していた。

領地を拡大すれば、人々の出入りや物流の流れも盛んになり、領地を管理する城としては税収も上がり更なる街の発展、拡大につながるのである。

そして今回の舞台となりうる大きな街、ギランは領地を隔てて隣にあるインナドリル領地のルールを破ったギランへの奇襲攻撃によりギランをインナドリル領地としてしまったのだった。

しかし、その侵略行為は許されるべきことではなかった。

どこの領地でもない中立地帯を隔てギランと対立している、ギランの北にあるオーレン領地の城主さえもインナドリル領地のやり方に憤りを感じギランから侵略者たちを追い出すためにインナドリルに宣戦布告をした。

そして、ギランから少し離れた所に位置するディオン領地城主エスタリアもインナドリルのやり方に反発。

宣戦布告をインナドリルに伝令を使い打診した。

更にはギラン城主リキに恩のあるアラン・ケイス血盟軍もギラン奪還に参戦する事をインナドリル城主ベクター(ダークエルフ)スペルハウラーに宣戦布告を告げた。

オーレン、ディオン、アラン血盟軍の三軍がインナドリルに向かっていることを聞いたインナドリル城主ベクターは、悪名高いヌルカ血盟軍に話を持ち掛けギラン領地を分け与えることでヌルカ血盟軍のインナドリル軍参戦に合意させた。更には強靭な体を持つオークという人種の血盟軍とも、新しい領地を分け与えることで同盟を結びインナドリル参戦に協力を要請した。

ギラン領地を追い出されたギラン残存軍、役6000人。

ディオン軍、役8000人。

オーレン軍、10000人。

アラン‐ケイス血盟、8000人。

ギラン残存軍に加え、26000人を越える3軍がインナドリルとギランに向かっていた。

対してインナドリル軍、残存15000人、その内5000人がギラン城死守するために回されていた。

そしてヌルカ血盟軍、18000人。

オーク血盟軍、10000人。

人数こそインナドリル軍の方が多いが急遽寄せ集めた軍なので統率力に欠けていた。

そしてヌルカと同盟を組んでいる血盟軍が、そこかしこでインナドリルに宣戦布告した3群を待ち伏せる計画を企てていた。

これがアラン血盟軍にとって過酷な戦いとなるのだった。




グルーディオを出たサラは急いで歩いていたが、急いだところで所詮歩く速さで、いつギランに着けるのかもわからないので普通に歩き出した。

アドロ…無事でいてね…

サラはアドロの事だけを考えていた。

父と母はベテランハンターだから大丈夫、と自分に言い聞かせながら恋人であるアドロのことだけを考えることにした。


一方、アドロはリキに事情を説明してワイバーンを貸してもらえないか頼んでみた。

リキは快くワイバーンを貸してくれたのだった。

早速、アドロはワイバーンに乗り、スタッド、ハリス、エリウスに別れを告げ、グルーディンに向かいワイバーンと共に飛び立った。

ギラン城からは、兵士達がインナドリルへ向けて走って行くのを上空から見ていた。

兵士の数がやたらと多く目に付いた。

ギランが無事にリキさんの手に戻ればいいが…。

アドロは初めての戦場を見て不安になっていた。

両軍の遺体がそこかしこに倒れているのだった。

スタッド達大丈夫だろうか…。

そんなことを考えながらギラン城を後にした。

そして、アドロは海岸線に沿って続いている道をグルーディン目指して飛んでいた。

ワイバーンに乗ったアドロは、海沿いの道の上空を飛びながら、サラの元へと急いだ。



さすがにワイバーンでの移動は速かった

ギランを出て、約5時間。

遠くの方に、砂埃で霞んでいる荒れ地が見えてきた。

前に地図を見た時、荒れ地の道を行けば海沿いの道を行くより、

かなり時間を短縮できる事を知っていた。本当なら、

ギランからグルーディンまで一直線に飛べればいいのだが、ワイバーンは高い山を飛び越える事は出来ないと、リキから聞いていた。

アドロは少し休憩しようと、適当に休める場所を探していた。

荒れ地の手前で、小さな野営地をみつけた。

その野営地にアドロはワイバーンと共に降り立ち、周りを見渡したが野営地は廃墟と化していて、辺りに人影は無かった。

周りをよく見てみると、傍に大きな木があった。

その木に美味しそうな赤い実が成っていた。

アドロは空腹だった。ワイバーンの背中に乗り、

木の実を3固もぎ取った。アドロの拳大の大きさだった。

木の実を服で綺麗に拭き、ちょっと噛ってみた。

甘酸っぱい味と香が、口の中一杯に広がった。

美味い!!

アドロは、想わず口に出して言った。

それを見ていたワイバーンは、厳つい身体には到底似合わない甘えたような声で『クゥ~クゥ~』と、アドロが手に持っている木の実を見ながら鳴いた。

『ん?お前も食べたいのか?』

ワイバーンに木の実を見せた。

ワイバーンは、また『クゥ~』と喉を鳴らした。

『そうだな、お前もずーっと飛びっぱなしだもんな』

アドロはワイバーンの首の所を撫でた。

『ほらっ、口を開けな』

アドロはワイバーンの鼻先に木の実を差し出した。

ワイバーンはアドロの手を自分の歯で傷付けないように、そっと木の実を咥えて口の中に入れて一噛りした。

そして飲み込んだ。

ワイバーンは、ゴロゴロと喉を鳴らし、また『クゥ~クゥ~クゥ~』と鳴いた。

まだ木の実を食べたいらしい。

アドロは、またワイバーンの背中に乗り木の実を沢山取った。

アドロは3固、ワイバーンは8固食べた。

だが、アドロは実を一つ食べると身体が熱くなるような気がした。

気にせず三つ食べた時には、顔が赤くなっていた。

『なんだ?この実は?』

始めて酒を呑んだ時と同じような感じがする…

アドロはワイバーンを見た。

ワイバーンは首を左右に振りながら翼を広げ、ヨタヨタ歩いていた。

この木の実…酒と同じようなのが入ってたのか?

アドロは顔を真っ赤にしながら、ヨタヨタ歩くワイバーンを見て笑った。

その時だった。

オルマフムゲリラ(猫科トラ系モンスター)と傭兵5人グループが、アドロの周りを取り囲んだ。

『よぉ!兄ちゃん!誰に断って此処に入ってるんだ?』

オルマフム達は剣をチラつかせながらアドロを睨みつけた。

アドロは酒の成分の入った木の実を食べて、酒に酔ったように真っ赤な顔をオルマフムに向けた。

『誰も居ないのに誰に断ればいいんだ?それに此処は廃墟同然だろ!黙って入って何が悪い?』

言いながらアドロは二刀を手に持った。

アドロは酒のせいもあってか、かなりの強気だった。

 もっともオルマフムごときにやられるようなアドロではなかった。

『さぁ!何処からでも来な!』

2刀を構えてアドロもオルマフムを睨み返した。

オルマフム達が一斉にアドロに襲い掛かかろうとした時、ワイバーンの口から炎の球が出てオルマフム達に注がれた。

オルマフム達は一瞬にして黒焦げになり、辛うじて火傷だけで済んだオルマフムは慌てて逃げて行った。

『ワイバーン!凄いな!そんなスキルを持ってたのか』

ワイバーンは空に向け、雄叫びをあげた。

『そうだ!!お前に名前をつけよう!…何がいいかな…』

アドロは少し考えて

『お前の名前はリッキーにしよう!リキさんのかわいいワイバーンだからな!うん、リッキーがいいや!』

簡単に単純な名前で決まってしまった。

当のワイバーン、リッキーは名前を付けられた事を知ってか知らずか、相変わらずヨタヨタと歩き回り、所構わず口から火玉を出して所々燃えていた。

『アハハ!すげーなリッキー!!』

アドロはリッキーの後をこれまたヨタヨタと追い掛けていた。

そして、そのままワイバーン、リッキーと共にアドロは寝てしまったのだった。 


オルマフム と リザードマン201710011342055ba.gif




アドロが酒のような成分が入った木の実を食べてしまい、荒れ地の手前の廃墟になっている野営地で酔っ払って寝てしまっている時、アドロの元へ向かうサラは、グルーディンを出てから数時間が経っていた。

『もうすぐリザードマンが生息してる場所だなぁ…』

先日、アドロ達と一緒にリザードマンに襲われた若い女の人の遺品を探しに来た場所までもうすぐの所だった。

リザードマン一匹や二匹なら問題無いが、15~16匹まとまってこられたら魔法力の強いスペルハウラーのサラでも脅威になるはずである。

『相手が弱くても、数でこられたら危ないな…』

サラは魔法学校で教わったモンスターとの戦い方を思い出していた。

この辺りは、まだ巨大蜘蛛のトリムデン達の縄張り。

単独行動の多いトリムデン達なら、襲われたところでサラにとっては問題無い。

徒党を組んで、トラップを仕掛けてくる、リザードマン達にどう対抗するか…、

『とにかく、罠にかからないようにしなくちゃ!』

そう思いながら、遥か先まで続く狭い一本道を進んで行った。

そして、更に数時間が経ち日が暮れはじめてきた。

サラは地図を広げて、これから通る道を確認した。

忘れられた神殿まで、まだ丸一日かかりそうだった。

『もうすぐ夜になるな…近くに町は無いし…』

サラは歩き通しで疲れていた。

かと言って、この辺りで休むのも危ないだろう…。

サラは、もう少し歩く事にした。

そして…

日が沈み夜が訪れた。



月明かりだけを頼りに歩き続けているサラを、遠巻きに見つめる者達がいた。

『奴らの目をかい潜り此処まで来た甲斐があったな』

『あぁ、後は奴らに気付かれないように、あの女の装備を残らず戴くだけだな。お前達二人はこの辺りで見張ってろ。リザードマンの奴らが来たらすぐに知らせてくれ』

ボス格のオルマフムが下っ端の者に命令した。

オルマフムの山賊達である。

リザードマンの縄張りに入り込み、グルーディンから来る旅の人を襲い金品等をリザードマン達より先に奪うつもりでいた。

本来、オルマフム達はリザードマンの縄張りより、ずっと先にあるのだがオルマフムやリザードマンに襲われることが多いので、ギランで商業を終えて大金を手にした者たちは、ゲートキーパーを使いギランからグルーディンへと帰っていたので、歩いて帰る者が少なくなっていた。

一方、グルーディンからギランへ向かう人は多かった。

ギランは、とても大きな街であり、物流の盛んな街として有名だった。

故に、アデン大陸各所からいろいろな種族の人々が露店商を開き商業を終えた後、それぞれ自分達の街や村に帰るのだった。

グルーディンへ帰る殆どの人がたっぷり稼いだお金で、ゲートキーパーを使っていたのでオルマフム達には旅人を襲い金品を巻き上げる機会が少なくなっていた。

逆にグルーディンからギランへ向かう人の一部はリザードマン達に襲われていた。

そして、リザードマンの襲撃を逃れた人達は腕のたつ剣使いや魔法職ばかりで、オルマフム達は手を拱いていた。

そこで、オルマフム達はリザードマンの縄張りに潜入して、リザードマンより先に旅人を襲い金品を奪うつもりでいた。

そして、リザードマンの縄張りにに潜入したオルマフム8匹の目の前の暗い道をサラが歩いていたのだった。

サラは聴覚、視覚をフルに使い辺りの気配に神経を集中させていた。

そして、一人きりという心細さから、召喚獣のウルフ(オオカミ)を召喚した。

サラはウルフに『ミミ』と名付けていた。

『ミミ、傍にいてね』

サラはミミに囁くように言って、頭から背中にかけて優しく撫でた。

ミミはサラの顔を一度だけ舐めた。

そして、サラとミミは歩き始めた。

少しして、ミミが不意に立ち止まり唸り声をあげた。

サラに緊張感が走った。

ミミは暗闇の中の一点を見つめたまま唸り声をあげて身構えた。

サラは魔法武器であるデーモンスタッフに魔力を上げるスピリットショットを使い魔力を高めた。

暗闇から四つの影が現れた。

月明かりの下、オルマフムの顔が見えた。

リザードマンじゃない!

なんでここにオルマフムがいるの?

サラは動揺した。

『姉ちゃん!俺達はあまり時間が無いんだ。大人しく持ち物全部渡してもらおうか!』

オルマフム達は、じりじりとサラとの間合いを詰めてきた。

サラは咄嗟にオルマフムの一匹にスリープをかけた。

そして、間髪入れずに別のオルマフムにハリケーンを放った。

サラの魔法攻撃ハリケーンをまともに喰らったオルマフムは呆気なく倒れた。一匹のオルマフムがサラに襲いかかってきた。

そのオルマフムに召喚獣ウルフのミミが果敢に飛び掛かっていった。

残りのオルマフム3匹はサラに襲いかかった。

不覚にも、サラはオルマフムの一匹にローブを捕まれ剥ぎ取られてしまった。

悲鳴を上げるサラ。

『大人しく持ってるもの渡せば手荒な真似はしねぇよ!』

もう一匹がサラの後ろに回り身体を押さえつけた。

そして、ローブを剥ぎ取ったオルマフムが、今度はサラのデーモンスタッフを取ろうとした。

サラは、咄嗟に接近戦になったときに使う攻撃魔法オーラバーンを使った。

デーモンスタッフを奪おうとしたオルマフムはスペルハウラーの攻撃魔法オーラバーンをまともに喰らい弾かれたように後ろに飛ばされ気を失った。

サラを後ろから押さえつけていたオルマフムは、それを見てより一層強くサラの体を締め付けて動けないようにした。

そこへ、サラの魔法、スリープで眠らされていたオルマフムと残り二匹のオルマフムがサラの腕を掴みにかかった。

サラは身動きができなくなってしまった。

まだ、モンスターとの戦いに慣れていないサラは、3匹のオルマフムにあっけなく身体を押さえつけられてしまった。

『助けて…アドロ!』

サラが心の中で叫んだ時だった。サラのデーモンスタッフを奪い取ろうとしていたオルマフムが、突然『ギャー!!』と悲鳴を上げてオルマフムはサラのデーモンスタッフから手を放した。

オルマフムの後ろに唸り声を出しているミミが見えた。

最初にミミが飛び掛かっていったオルマフムは、すぐ傍に倒れていた。

ミミに噛み殺されたのだろう、と、サラは思った。

そして、サラに襲いかかっていたオルマフムの尻尾にミミが噛み付いていた。

その時、サラの片腕を抑えていたオルマフムが、ミミを目掛けて剣を振り下ろした。

『ミミ!危ない!!』

サラが叫んだ。

同時に、ミミは噛み付いていたオルマフムの尻尾を噛み千切った。

そして勢い余ってミミは後ろに転がった。

それが幸いして、オルマフムの振り下ろした剣はミミのミスリルアーマーを僅かに掠っただけだった。

ミミに尻尾を噛み千切られたオルマフムは相当痛いのだろう、地面を転げ回っていた。

仲間の悲鳴を聞いた見張りのオルマフム二匹が来た時、騒ぎを聞き付けたリザードマン達が現れた。

『オルマフムの野郎共が此処で何してやがる!!』

そう言いながらリザードマンの一匹が、ミミに尻尾を噛み千切られて地面でのたうちまわっているオルマフムの身体を槍で貫いた。

オルマフムは動かなくなった。

『何しやがる!!』

サラを羽交い締めにしていたオルマフムがサラを突き放し、リザードマンに襲い掛かっていった。

オルマフム四匹とリザードマン六匹が乱闘になった。

ミミは、リザードマンとオルマフムの乱闘を見据えながら、サラの前で唸り声を上げ低く身構えていた。

『ミミ、ありがとう』

ミミに抱きつくサラ。

そして、すぐ傍に落ちている自分のローブを素早く着込みミミと共にその場を離れようとした時、別のリザードマン三匹がサラの行く手を塞いだ。

『お前は大人しく此処に居ろ!』

三匹の中で一番身体の大きなリザードマンが、サラを睨みつけた。

ミミが歯を剥き出してリザードマン達を見ながらサラを庇うようにサラの前に出た。

『ほぅ、威勢のいい犬っころだな』

身体の大きなリザードマンが一歩前に出た時、ウルフのミミがリザードマンに飛び掛かっていった。

その時別のリザードマンが剣を抜き、ミミの身体を切り付けた。

ミミのミスリルアーマーにリザードマンの剣がぶつかり激しい金属音がしてミミは横に弾け飛んだ。

『ミミ!!』

弾き飛ばされたミミを見てサラが叫んだ。

ミミは転がり道の脇にある、大きな石にぶつかり動かなくなった。

ミミの傍に行こうとしたサラの前にリザードマンが立ちはだかった。

『大人しくしてろと言ったろ!!』

身体の大きなリザードマンの持つ剣がサラの鼻先で止まった。

サラは倒れているミミから目を放さなかった。

そして猛烈な怒りが沸いてきた。

『お前達…絶対に許さない…』

サラはミミから目を放し、リザードマン達を睨みつけた。


続く…

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リネージュ2 二次創作長編小説 8

2017.10.01(16:50) 150


ギラン城陥落…201710011342055ba.gif




アドロ達が村に戻って一時間位してからリキと側近一人がグルーディンに着いた。

村の広場にいれば、リキさんが来たときわかりやすいだろう、とアドロ達はリキが来るのを広場で待っていた。

そして、遥か上空にワイバーンの姿が二つ見えた。

『あっ!来た来た!あれリキさん達じゃない?』

サラが上空を指さし叫んだ。

上空に見えていた二つの黒い影はみるみる大きくなり、地面に降り立つワイバーンは翼を目一杯広げて、ふわりと村の広場に降り立った。

アドロ達は、ギラン城主リキの所へ走り寄っていった。

そしてアドロ達は、ステラを下ろすのに手を貸した。

『おぉ、済まないのぉ、お若いの……って、なんでおぬしらがいるんじゃ?』

『リキさん、ごめんなさい。私のリコールでステラも連れてくればよかった』

舌をペロっと出して、ティアラは申し訳けなさそうに言った。

『なんだ、リコールがあったのか。まっ、全然余裕じゃがの』

リキは痺れた腕を少し摩りながら笑った。

ハリスがリキの前に立った。

『盟主!!私を血盟に加えて下さい』

ハリスの心は決まっていた。

『私はあの時、貴方に命を救われました。そのご恩をお返しするためにも、私の頼りない力でもお役にたてるのなら、この弓を貴方の為に使いたいのです』

ハリスは、自分の武器であるエミナースボウをリキの前に差し出した。

『ハリス…だったかな?ほんとによいのか?今は戦乱の時、厳しい戦いが待っているぞ』

リキはハリスを見ながら言った。

『はい、一度は諦めた命、迷いはありません。ただ…』

ハリスは、そう言って下を向いた。

『ん?ただなんじゃ?』

『はい…リザードマンに殺された人達の遺品を回収してからにしたいのですが…』

『そうだな。そうしてあげなさい。私も手を貸そう。そうと決まれば、わしは親分のビフロンに会っておくかのぅ』

リキは白い髭を撫でながら言ってから、アドロ達を見た。

『他の者はどうするのじゃ?』

『俺も遺品回収が終わったらギランへ行きます』

スタッドが言った。

『私も行きます』

エリウスも血盟に入る事にした。

アドロは自分も行きたい気持ちは十分あった。だが、サラを一人にしたくなかった。

『私は父が帰って来てから決めたいと思います』

アドロはリキに対して敬意を払いながら頭を下げた。

『そうだな。父上とよく相談してから決めてほしい』

リキは、そう言いながらワイバーンの召喚をドラゴンの笛に戻した。

『どれ、わしはグルーディンの用事を済ませたらビフロンに会いに行ってみるかのぉ。奴ぁびっくりするじゃろぅ』

リキは笑いながら言った。

『それからあの怪我をした子の代わりのヒーラーを呼んであげよう。他にプロフィットとアタッカーを数名呼んだほうがいいじゃろう。それまでは無理せんようにな』

そう言い遺して町の中へ消えて行った。

その後遺品の一部をハンター組合へ持って行き依頼主のものかどうか確かめた後、皆家に戻った。遺品は依頼主の物ではなかった。

また、人数を増やして体制を立て直してから遺品の回収に行くということになった。


そして…

その頃、インナドリル軍はギランへ奇襲をかけるべく、数千の自軍をインナドリル領地に残し、そこここから集めた傭兵を自軍に含めギラン城へ進行していた。

インナドリル兵は傭兵を含め約20000名を少し超えていた。

その他に、インナドリル兵、傭兵先発隊8000名はギラン城の外門に辿り着いていた。

前触れもなく、何処の兵隊かを表す旗もなく、ギラン城の外門に集結した軍隊にギラン兵は戦闘体制に入った。

外門に集結した軍隊の前衛には強靭な肉体と力を持つオーク人種とドワーフが作り上げた、大きなメカニックゴーレムが立ち塞がっていた。

ギラン兵は城壁上部から弓兵が弓を構えていた。

前衛のオーク人種の一人が前に出てきた。

『我々は、インナドリルの傘下に属する傭兵である!インナドリルの指揮により、たった今ギラン軍に対し宣戦を布告する!』

ギラン城、外門に集結した軍隊の指揮官らしき者が宣告したあと、突撃命令を自軍に出した。

大きなメカニックゴーレムはギラン城の外門に向かって動き出した。

前衛のオーク人種も気勢をあげながら外門に向かって走り出した。

インナドリル傭兵隊後方からは1000人の弓兵から矢が放たれた。

ギラン城城壁に控えていた弓兵も矢継ぎ早に弓を放った。

城門に達したオーク人種とメカニックゴーレムはギラン城外門の破壊を始めていた。



アルテア201710011342055ba.gif



アルテアは、ギラン城主リキの言い付けによりワイバーンに乗りギランを目差していた。

途中、ワイバーンを休ませながら数時間かけて飛んできた。

そしてギラン城が見えてきた。

ホッとすると同時にただならぬ異変に気が付いた。

ギラン城から煙りが上がっていたのだ。

ギラン上空に差し掛かったとき、壮絶な光景がアルテアの目に飛び込んできた。

『城が攻められている!』

インナドリル軍がギランに奇襲をかけていた。

盟主が居ない時を狙った奇襲攻撃だった。

城の廻りには既に沢山の兵が倒れていた。

『奇襲攻撃とは…オーレン軍か?いや違うだろう…恐らくインナドリル軍…許せん!!』

本来城を攻める時には事前に宣戦布告をするのがルールでありお互いの戦力を最大にして戦うのが常である。

しかし、インナドリルはそのルールを破りギランに奇襲をかけたのだった。

ギラン兵の数およそ15000、インナドリル兵、傭兵含め約28000の兵がいた。

アルテアは上空から城へ降りた。

直ぐに自分の部下アルジュを捜し出した。そしてゲートキーパーでグルーディンへ飛び、盟主に現状を伝えるように命じた。

『アルジュ!!すぐゲートキーパーでグルーディンへ飛んでこの状況を盟主に知らせてくれ!!』

『はっ!』

アルジュが返事をしたその時、アルジュの身体をインナドリル兵の放った数本の矢が貫いた。

アルジュはその場に倒れ絶命した。

『アルジュ!!』

『!!』

続いてアルテアにも数本の矢が突き刺さった。

しかしアルテアは果敢にもインナドリル兵へ突進していき弓兵と数名の剣士を切り倒していった。

たが、さすがのアルテアもここで力尽きた。

インナドリル兵の奇襲攻撃だったため体制不利なギラン兵達は徐々に城の中へと追いやられていった。

外にはもうギラン兵はほとんど居なかった。

そして…8時間に渡る攻防戦の末ギラン城は堕ちたのだった。


それぞれの城主201710011342055ba.gif



ギランが堕ちた事は瞬く間に拡がっていった。

一日経たないうちにグルーディンまで噂は拡がっていった。

当然リキの耳にもいやがおうでも入るのだった。

アドロ、スタッド、ハリス、エリウスの4人はリキと側近のフレイドの前に立っていた。

アドロはリキを見ていた。

リキは両手をにぎりしめ、怒りにうち震えていた。

リキはハリス達に言った。

『皆、すまない。・・・どうやら皆に協力できなくなってしまったようじゃ・・・私はすぐにギランへ飛ぶ。皆には申し訳ないが血盟の話は無かった事にしてほしい』

『フレイド、すぐにゲートキーパーでギランへ行くぞ!!』

『はい!』

フレイドは応えた。

『ギラン兵が何人残っているか分からんが城主はまだここにいる!!城は落ちたわけではない!!』

リキは誰にともなく言った。

もしかしたら自分に言い聞かせてたのかもしれない。

そして血盟主 ギラン城主リキとその側近フレイドはゲートキーパーへと向った。

残ったアドロ達はどうしていいのかわからなかった。

ただハリスはリキについて行く決心はついていた。

ゲートキーパートークンもある。

『俺、ギランへ行く!』

ハリスは言った。

『よし!俺もいくぞ!!』

エリウスもスタッドも言った。

アドロは苦しい選択に悩んだ・・・が・・・

『すまない・・・俺は行けない・・・』

ハリスもエリウスもアドロに来てくれるように頼んだが

アドロは首を横に振るだけだった。

『もういい!!アドロ!お前には頼まん!』

ハリスは踵を返しゲートキーパーへ向った。

『すまない、アドロ・・・お前の気持ちはよくわかってる。今はサラの傍にいたほうがいい。・・・お前がいなくなったらサラは胞子へ行ってしまうだろう・・・もしくはお前がギランに来たらサラはお前を追いかけてギランに来てしまうかもしれない・・・ハリス達には俺がうまいこと言っておいてやるよ』

『スタッド・・・ありがとう・・・』

アドロはスタッドの気持ちが嬉しかった

『・・・無理するなよ』

アドロはそれだけ言った。

『あぁ・・・じゃ、ちょっとギランに行ってくる』

スタッドはアドロに手をあげてゲートキーパーへ向った。

アドロはスタッドが見えなくなるまでその場に佇んでいた。



それぞれの城主 201710011342055ba.gif




アドロはグルーディンのゲートキーパーへ向かうスタッドの後ろ姿を見送っていたが、自分が行けない代わりに、自分の持っている武器の力を増幅させる、スピリットショットをスタッドに渡そうと思いアドロはスタッドの後を追って行った。

ちょうどゲートキーパー前でアドロはスタッドに追い付いた。

皆ギランへ飛ぶ寸前だった。

『スタッド!これを持っていってくれ』

そう言いながらアドロはスタッドにSSを渡したその時にハリスがゲートキーパートークンを使ってしまったのだった。

ゲートキーパートークンはそれを使う者に触れていれば、又は二次的に触れていても一緒に移動できるのである。

この場合スタッドはハリスに触れていた。

アドロがスタッドにSSを渡そうと触れた時にハリスがゲートキーパーを使ったのでアドロも一緒にギランへ転送されてしまった。

そして四人はギランの街へと移動したのだった。

盟主リキ達は先に城へ向かっていた。

『アドロ、お前来ちゃったのかよ…まずいんじゃねーか?』

スタッドが半ば諦めた口調で言った。

アドロは不安な面持ちでいた。

ギランからグルーディンまでストライダーを使っても何日かかるのかわからなかった

『サラ…』

アドロはサラが大人しく家に居てくれる事だけを願うだけだった。

『アドロ、リキさんにワイバーンを貸してもらえるように頼んでみたらどうだ?』

スタッドがアドロの不安な面持ちを見て言った。

『そうだな、聞いてみるよ…』

ギラン城の方を見ながらアドロは頷いた。



所変わって、ギランより少し北に位置するオーレン城。

オーレン城主『バニッシュ(ダークエルフ)』はギラン陥落を聞いてすぐにインナドリル城に宣戦布告を申し出た。

血盟員が『ギラン城ではないのですか?』

と聞いたが…

『ギラン城主はドワーフのリキだ!リキがいないのでは宣戦布告はできん!そして今ギランに居る者達は、ただの薄汚い侵入者だ。奴らを追い出すにはインナドリルを攻めるのが一番だろう…そうは思わないか?』

オーレン城主バニッシュはオーレン兵達を見ながら言った。

『リキよ…また王座に着き再度、我がオーレンと戦うのだ…そして…』

バニッシュは心の中で呟いていた。



そして『赤い城』と呼ばれるディオン城、ディオン城主『エスタリア(グラディエーター)』もまた、インナドリル城に宣戦布告をしたのである。

均整のとれた綺麗と言っても過言ではない彼女は、男勝りの統率力と磨きあげられた身体は女らしくもあり逞しくもあった。

『赤い城』ディオン城主、血盟主エスタリアは、かねてからリキと同盟を結びたいと思っていた。

そしてひそかに女として想いを寄せているアルテアに逢いたい、という気持ちがあった。

『あの方の力になれる時がきた』

エスタリアはこの時ばかりは独りの女になっていた。



続く…

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